JASは2004年に「無農薬」の商品表示禁止した

人の命に関わる「安心して食べられる食品」の危機が相次いでいる。昨年から今年にかけてのことだ。命に関わる食品の安全・安心については法に守られるようなしっかりとした定義が必要とされる時代になったと言っても過言ではない。意外に知られていないのは、かつて使用されていた「無農薬野菜」という表示が2004年以降、JASのガイドラインで農産物に貼ってはいけないということである。同様に、「減農薬栽培」とか「無化学肥料栽培」といった表示も農産物につけてはいけない。つまり、農産物を栽培期間中だけ農薬を使わなければよいのかという問題。農薬ゼロというのは栽培期間中だけでは駄目ということ。つまり栽培前や後の残留農薬を考えると適切な表示ではないとの考えからだ。消費者を混同させないようにとの配慮が理由だ。では「有機野菜」や「有機くだもの」とは何をさすのか。それは種まきや植え付けの2年以上前から、農薬や化学肥料を使っていない田畑で栽培された野菜や果物を言う。もちろん栽培中に農薬・化学肥料を使ってはいけない。さらに「遺伝子組み換え技術」を使用してはいけないと厳しく規制される。したがって、昔の日本農業が行っていたような米わら・麦わらや家畜の堆肥・魚介類のカス等を混ぜ合わせじっくりと醸成した土地で作られた農作物のことを意味する。
  

有機肥料で有機農産物を育てる

確かに化学肥料は速効性があり、野菜や果物の成長にすぐ効果があらわれ、今までは重宝され、主流であった。それに対して野菜のくずや油粕、骨粉、牛糞、鶏糞などを使った有機肥料は遅効性だが、効果が長く続く。すなわち、成分が長い時間をかけて溶け出し、長い時間かけて野菜や果物を育てる。こちらのほうが長い眼で見ると有効であるのだが、経済合理性にあわず、また農作物の病気や害虫の問題もあり、多くの農業者に採用されてこなかった。現在日本では有機農産物を生産する有機農業は全農地の1パーセントの普及率でしかないそうだ。有機農法推進法という法が2006年に制定され、有機農法の推進が期待されたが、多くの日本国民はその存在すら知らないのではないだろうか。

Copyright © 2008 消費者は「無農薬」と「有機」の区別できる