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Bolivia silver 8reals(pillar dollar) 1770  KM 50
ボリビア 8レアル銀貨 (ピラーダラー) 1770年

Bolivia silver 8reals (pillar dollar) 1770  KM 50 ボリビア 8リアル銀貨 (ピラーダラー) 1770年

重さ27.07g、直径 40mm、状態はEF。品位 銀917/1000。

スペイン領南米各地で発行された8reals銀貨、ピラーダラーです。裏面に2本描かれている柱の特徴をとらえてそう呼ばれています。ミントマークから現在のどこの国で作られたか分ります。これは「PTS」のモノグラムマークが入っているので、現在のボリビアです。他にMoのメキシコ、LMのペルーが入手容易です。Gのグアテマラ、Soのチリ他も有りますが、極端に存在が少ないです。同じスペイン領のフィリピンへ物品と交換でアジアへ流入し、中国へも貿易で渡っています。貿易銀と呼ばれるコインです。

北アメリカでも流通しています。1790年代にアメリカ合衆国自身が発行した1ドル銀貨が、ピラーダラー流通の勢いに負けてしまうくらいだったそうです。ピラーダラーはヨーロッパへも貿易代金として支払われたためヨーロッパでも流通していたと思われます。また渡ったその地域で潰され銀地金として、新たにその地域の銀貨材料にされたりもしたようです。世界中を席巻したお金です。

江戸時代の日本へも渡ってきています。1789年に書かれた「西洋銭譜」という外国コインを紹介する本があり、ピラーダラーが描かれています。もしかしたら日本へ渡ってきたピラーダラーは、鋳潰されて南鐐二朱銀や一分銀になっているかもしれませんね。

表裏、側面も好きなデザインのコインです。表面、王冠を戴いたスペイン紋章、お城はキャスティリア王国、立ちライオンはレオン王国、真ん中下に小さく描かれているのは、イベリア半島最後のイスラム国家グラナダのザクロの実です。スペインの基本を構成している元々あった国の紋章を組み合わせています。ど真ん中にあるにはフランス・ブルボン家紋章、ユリを表します。1700年にスペイン継承戦争が起こり、ブルボン家のフェリペ5世が即位した時から加えられています。スペインが歩んできた歴史が紋章に表わされていて好きです。銘文は、神の恩寵によるスペインとインド王、カルロス3世とラテン語で表記されています。

裏面、2本の柱は、ヘラクレスの柱と呼ばれているもので、ジブラルタル海峡にそびえ立っているとされています。「この柱より先は何もない」が元々の意味で、世界の果てを表していたようです。柱に巻きつけられているリボンには「PLUS」「VLTRA」と書かれています。1500年代前半にスペイン王としてやってきた神聖ローマ帝国皇帝カルロス5世、スペイン王としてはカルロス1世のモットーです。意味は「さらなる先進」「もっと向うへ」というラテン語です。新大陸を発見したスペインらしいモットーですね。ヘラクレスの柱は旧世界、ヨーロッパ大陸と新世界の境界を表わすようです。柱の上に載っている王冠は、左が神聖ローマ皇帝冠、右がスペイン王冠だそうですが、このコインでは区別できません。1750年代頃のメキシコ製ピラーダラーでは区別して描かれています。真ん中の地球儀、左は新世界・南北アメリカ大陸、右は旧世界・インド辺りのユーラシア大陸を描いていると思われます。銘文「VTRA QUE VNUM」は、2つで一つ、2つの世界の統一を意味しているようです。下には海が描かれています。大航海時代から世界をまたにかけて活動した国らしく、スケールの大きなデザインがとても気に入っています。デザインと同じく、地球上を貿易銀として駆けまわったこの銀貨は、デザインそのままの国際通貨ですね。側面は、植物の葉のリースか?花を連続して描いているのか不明ですが、プレーンやギザより表情があって好きです。

このコインは人力機械打ちです。人間が圧印機の巨大ハンドルを数人がかりで回して打刻されています。半分機械、半分手製のようなところがあって、そこがまた好きです。このコインは良く圧印されたようで、深く打たれています。文字やデザインの立ち上がりがシャープで気に入っています。購入時の状態表記はEF。表面左側1/4くらいのところには、製造当時からの光沢が残っています。まぁそんなもんでしょうか。もう1/4ランク低い気もしますが... でも良い印象です。

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