シークレットゲーム:キラークイーンデプス
閉鎖された廃墟、閉じ込められた13人のプレイヤー。
仕掛けの仕込まれた首輪、トランプを模したPDA。
72時間以内に与えられた条件をクリアしなければ首輪の仕掛けが作動する。
利害関係、疑心暗鬼、共闘、裏切り、信頼、暴力、道徳、不条理、怒り、そして……殺人。
「殺される前に、コロスしかない」
同人→コンシューマー→PC版、と変更修正を繰り返してきたキラークイーン。
その現在最新版であるデプスエディションをプレイしました。
以下ネタばれ(同人版含む)での感想を。
(同人版の感想はこちらからー・主人公の歪さとかの詳細もこっちだけです)
基本的にはマイルドになったようで過激になったようで。
同人版と比べての変更点は山盛りです。第一話の序盤(ホント序盤)だけが共通してたぐらいで、まるっと別作品でした。
最初気になったのは首輪の仕掛けに関して。
首輪爆発から殺戮兵器作動に変ったのは、話を作りやすくなったメリットと凄惨さ、緊張感の低下というデメリットもありますね。
続いて主人公バックストーリー説明の分割。
最終話になるまで主人公の歪さが淡く隠されたままになっていました。
なもので初見のプレイヤーにしてみれば主人公の考え方が綺麗事だらけにしか思えないのでは? なんて。
そしてキャラクターの設定変更。
最終ヒロインである優希は完全に別人でした。ちと物足りないです。
それとサブキャラの文香さん。(反転ここから)実は女スパイでした(ここまで)なんて言われても……。正直引いてしまいました。
では物語別のお話に。
最初は主人公の亡くした恋人と瓜二つな女性、咲実さん編。
彼女との出合い方は同人版のままでしたが、展開や登場人物は別物です。ヒロインの前半うざったさはパワーアップしてましたが(笑)
王道な展開ではあるお話でしたが、『ヒロインのゼロ距離主人公ギレシーン』がカットされていたので物足りない感じです。
なので主人公がヒロインになびくのにも唐突感を感じましたが、主人公の設定を隠している以上問題ないのかも。
このお話の中では主人公がどれだけ過去に引っ張られているかなんて知る由もないですしね。
ラストのオチ、主人公の首輪の解除条件であるクイーンPDA所持者の殺害はそーきたか、と素直に驚きました。
ってかそれやっちゃったらエースとクイーンの緊張感が、ある意味台無しですが。
これにより咲実さんの存在意義が更に低下。さよならヒロイン(泣)
(反転)クイーンのPDA『所持者』殺害であれば良し。最初の持ち主(咲実)である必要なし、というのが解除の抜け道でした(ここまで)
次は金髪ツンデレツインテお姉さんこと麗佳さん編。
同人版では攻略不可だったのもあり、期待を込めてプレイしました。キャラ的にも頭のいい方ですし、駆け引きが楽しみです。
まずは早速主人公のPDAが破損するというスタート。やってくれますね。これは新展開でした。
このゲームで生き残るためにはPDAが不可欠です。なので自分以外の誰かと共闘する必要があります。
そこで起きたのがヒロインとの手錠はめ。彼女の命を救う為に行った苦肉の行動でしたが、これは物語としてとてもナイスな流れです。
周囲からは命を狙われている。見ず知らずの男と常に行動を共にしなければならない。しかもそいつの本心が見えない。
そんな状況でいるうちに、ヒロインの心理状態は極限へと近づいていきます。
まさしく殺される前に殺してしまえ状態。
手錠が外れないのなら手首を切り落としてしまえばいいと思い至った後は緊張の連続でした。
ですが主人公の内心は『自分の命は無視。相手を生き残らせることだけが目的』というもの。身を呈して彼女を救い続けます。
で。
ヒロイン麗佳さんデレる、と(笑) デレた後は凄かった。甘えるわ主人公の自暴自棄な思考を叱咤するわ、ナイスあねさん女房へ。
麗佳「お前の思うようにはさせてやらない」
と断言する麗佳さんがかっこいいです。自分が死んでハッピーエンドだと思ってる主人公へと容赦ない言葉を浴びせ続けます。
ただ、ラストの主人公首輪解除が微妙さ一番なストーリーでした。
(反転)弾丸が首を掠めた衝撃で外れるってさ……(ここまで)
続いては同人版で一番人気であったサブヒロイン。個人的にも一番好きな方、渚さん編です。
普段はぼけぼけ和み役である彼女は裏モードが素敵な年上(には見えない)お姉さん。
裏モードとは(反転)ゲームの犯人側という立場(スナッフゲームのカメラマン)、及び何度もゲームを生き残ったつわものモードです(ここまで)
時折見せてくる冷めた視線と正論の言葉が外見とのギャップと相まって魅力的すぎます。
さて。物語の開始は主人公のPDAが二つ用意されていたところから始まります。
元々のPDA:エースと一緒に置いてあったのは、PDA:ジョーカー。
他のPDAになりすます事が出来る言葉通りジョーカーな物なのですが、それがあるからこそ参加者達は疑心暗鬼になるわけで。
これまた物語の展開が楽しみになるギミックですねー。
予定調和の如く脱落者(死者)や勝利者が出てきた後半。渚さんの正体が主人公に感づかれます。
私は貴方達をこんな目に会わせている犯人側の人間なのよ、という告白に対する主人公の一言が印象深かったです。
主人公「俺は、優しい貴女しか……知りませんから……」
歪なまでに相手を信頼し続ける主人公。穿った目で見ると、これは本当に自己満足なんですよね。
他の仲間の事を第一に考えているようでいて、自身の考えをけして曲げない我儘。
場合によっては信用してくれている仲間を巻き添えにして殺されるだけなのですから。
……それならそれで主人公の隠していた願いが成就されるってのも酷い話。
ですが渚さんは犯人側を裏切って主人公を選びます。マジで感謝するがいい主人公くんよ(笑)
ここで渚さんからこのゲームの真実が語られます。
所謂賭け事の対象としてのスナッフゲームをさせられていた、と。
その為のカメラマン。その為のプレイヤーに扮したゲームマスターである、と。
物語の終盤。
生き残りは主人公と渚さん、そして賞金目当てのもう一人という状況になってからは熱かった。
自分の命は計算外な主人公と犯人側を裏切った為に未来を閉ざしてしまった渚さんは時間切れまで安全地帯に留まろうとします。
ですがそんな張り合いのないゲーム展開を望まないのは主催者側です。
これはあくまでもショーである。
そのことに気が付いた主人公は賭けにでます。文字通りの賭けに。
それは彼女のカメラを通じて賭け事をしている観客へとショーを提案すること。
このままだらだらとゲームを台無しにさせるか、それとも逆転の目を作らせて白熱させるか。
主人公「そこで見ている連中。俺とゲームしようぜ」
ここが全ルートのなかで一番主人公が輝いていた瞬間でした。
自分の命と渚さんの命・将来を買う。その為の条件と金を貸せ。そしたらゲームの顛末はどう転ぶか分からないぜ? と。
観客は結果が楽しみなのではない、ゲームを楽しみにしているのだ。という客の真の目的を手玉にとった提案です。
この瞬間、彼はプレイヤーでありつつ賭けを操るメーカー側の立場を手に入れました。
ぶっちゃけていうと同様の展開は同人版でもありました。
が、それの発展演出過剰版とでもいいましょうか。ええ、私は十分に引き込まれましたし(笑)
勝ち抜いた彼は妾という立場の渚さんを手に入れます。(彼女と人生を金で買い取ったって言葉遊びですねー)
一生大切にしてくださいね、と。
やっぱ渚さんが一番いいヒロインでしたわ。
更に更に。
途中分岐でヒロイン昇格おめでとーな方、かりんさん編へと突入。
ヒロインの立場からしてみればバッドエンドな終わり方。
でも主人公にしてもれば本音が成就されたハッピーエンドな終わり方。
(反転)主人公死亡、ヒロイン生存(ここまで)という幕引きです。
ラストに奇跡の大逆転が起きなかったのは好印象です。シビアに淡々と結末を迎えました。
でも、凄く綺麗な終わり方だなーなんて思ったり。
まぁ主人公は天国で恋人優希さんに叱られてるんでしょうけどね(笑)
でもひとつだけ書かせてもらいます。
えちシーンの挿入がありえないタイミングじゃね?(笑) お前らとっとと仲間と合流ってか助けに行けよ。余裕ありすぎだなあんたら(汗)
なーんかそれがねー。どーも健速さんっぽい展開じゃないような気がひしひしと。んー。
ラスト。
幼女キャラである優希さん(主人公の亡くした恋人さんと同じ名前)編の開始です。
これは騙された。
というのもですね。この方、同人版での印象が深くて深くて(汗)
同人版では彼女って(反転)自ら進んで人を殺すのが趣味な殺人鬼だったんですよ。それはもう皆殺し編な。
中学生ぐらいの設定で、容姿と体を存分に利用して、男も女も誰彼構わず騙して殺す。そんな娘でした。
しかも最後は改心して主人公と二人生き残って「幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」な終わり方だったり。(ここまで)
そんな娘が今作では設定変更。
もっと幼い(雰囲気的には小学生かな?)扱いになったうえ、(反転)犯人側『組織』の大ボスの一人娘(ここまで)にジョブチェンジ。
途中で不可解なプレイヤーの死亡が起こる度、絶対にこいつが犯人だと思ってたんですよ。そんなわけで(笑)
それがホントに冗談じゃなくて、ただのお姫さま状態になるとは。
この最終話は早々にプレイヤー達が合流して、独特な展開をみせます。
策略によってゲームに紛れこんでしまった優希を奪い合う、プレイヤー達対ゲーム主催側という状況が生まれます。
特に良かったのは主催側の状況。賭け事に参加している観客には気づかれないようにしなければ、という設定が上手く活かされてました。
そのお陰で程良い戦力差での一進一退攻防が生まれましたし。
今回活躍したのは死亡率の高かったお姉さん、サブキャラの文香さんです。
(反転)組織に反抗するテロリストの一員。所謂女スパイだってさ(ここまで)
確かに優希の必要性やら組織の説明をするにはそういった立場の方がいた方が便利だとは思いますが……。
唐突感がありまくり。
一回だけそれを匂わすような伏線も憶えてはいるんですが、その時のエピローグではガン無視されてましたし。
ま、いいや。
ちなみに待ち望んでいた咲実さんのキレシーンがありました。
これをやらないと主人公の本音暴露及び思考変化がありませんからねー。同人版と同じく気分爽快なシーンです。
最後は毎回捨てキャラにされているおっちゃんと小僧、組織側優先なもう一人のゲームマスターさんの三人以外全員が生き残るハッピーエンド。
同人版咲実EDの発展版です。めでたしめでたし。
……でも最後まで白い優希には慣れなかったなぁ。
なんて思ってたらおまけ宴会で自虐してくれやがりました(笑)
優希「すごーく昔から私を知っている人はちょっと物足りなかったかもしれかったよね。殺るぜ? 超殺るぜ?」
北都みなみさんの演技が冴えてます(笑)
そんなこんなでシークレットゲーム終了。全体としては新鮮に楽しむことが出来ました。
でも物足りないってのも本音です。虐殺優希ルートED改編版を期待していたのは私だけでしょうか。
それと健速さんらしさが薄味だったような気も。
攻略キャラが増えた分薄く広がってしまったのかな、なんて印象です。
ともあれ楽しませてもらいました。
男キャラの手塚さん、高山さんの活躍も増えてましたし。この二人がコンビを組んだ最終話での会話とか好きです。