都立の大復活で問われる早慶附属高校の存在意義
2010年7月
最下位が慶應進学の日比谷、下位だと留年する早慶附属

▽高校入試に於いて、慶應志木、早稲田実業、早稲田高等学院などの早慶附属校の存在意義が今改めて問われようとしている。背景には、著しい都立トップ校の進学実績での躍進がある。

▽「確実に早稲田大や慶應義塾大へ進学したいなら、早慶の附属校に進学するよりも、都立日比谷や西のほうが確実かもしれませんよ」塾の面談である中学生はこう言われたという。

▽今年の都立日比谷高校の卒業生約320名中、席次が最下位の生徒は現役で慶應義塾大に進学した。「昨年の席次最下位の生徒は一浪して東大理科一類に進学しました。本校の生徒であれば、学年順位が最下位でも早慶は合格します。」と自信満々に話すのは日比谷高校の先生。

▽日比谷高校の早慶大現役合格者数は都内でトップ。開成高校や学芸大学附属高校などのライバル校と比べて、下位層の落ちこぼれがいないのが特徴だ。極論を言えば、「日比谷高校合格=大学受験で早慶大合格」なのである。

▽一方、早慶附属高校はそうはいかない。大学側からの強い圧力もあって、学力低迷者は容赦なく落とされる。慶應義塾志木高校の卒業生曰く「学年全体で留年は20人前後出ます。学力レベルが高いですから、入学後も勉強は本当に大変で、体育などの実技も気が抜けません。」当然、学年最下位では留年は確定である。

▽進学校の日比谷は学年席次最下位の生徒でも現役で早慶大に進学しているというのに、附属校の慶應志木や早稲田高等学院などでは、成績下位では大学に進めないという、奇妙な現象が起きているのだ。

早慶附属が都立トップ校の併願校化

▽「3〜4年後の日比谷の東大・京大合格者数は70名とも80名とも」言われている日比谷高校。入学者の平均偏差値推移などからすると、数年後はさらに大幅な伸張をすることが確実であるという。

▽こうした状況下では、多くの高校受験生にとって、早慶附属と都立トップ校を天秤にかけたとき、都立トップ校のほうが魅力に映るのは当然だろう。

▽結果として、早稲田高等学院や慶應義塾志木高校、慶應義塾女子高校などの、都立トップ校の併願校化が進んでいる。入学辞退率は年々上がっている状況だ。

▽高校受験では中高一貫校化の影響で募集人数が減り、早慶附属の偏差値があがる一方で、大学受験の早慶大の枠は、少子化の影響もあってどんどん大きくなる。早慶大は高校受験と比較して、大学受験のほうが入学しやすい。

▽早慶附属校には、附属に入学せずに大学受験すれば、東京大、京都大、医学部、一橋大、東京工業大などの超難関国立大に合格できる優秀層がまだまだ多いと言われている。高校受験で大学進路を早慶に決めてしまうのはもったいないという子は少なくない。

▽学年最下位でも早慶大に合格するようになってきたからこそ、優秀な高校受験生にはぜひ都立トップ校へ進学して、早慶大を踏み台にして最難関大に挑戦してほしいものだ。

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