
アウローラとティエンのふたりごと 2
アウローラ 「こんばんは、ティエンくん! またまた、遊びに参りましたよ」
ティエン 「やあ、アウローラさん……今日は、何か、悩んでることがあるんだって……?」
アウローラ 「ええ! サブゲートの時空を確定する際、必ずといっていいほどぶち当たる難問……」
ティエン 「え?」
アウローラ 「つまり……男性のアレのことを、何と表記すればよいのか、という問題です!」
ティエン 「……アレ……」
アウローラ 「わたくしの感覚では、さすがに、文中で『アレ』はないと思いますね!」
ティエン 「確かに……他の場合はともかく、アウローラさんの確定する文章に『アレ』っていう表現は、似合わないよね……。ていうか、これほどどうでもいい悩みもないよね」
アウローラ 「確かに、この上なくどうでも良い問題ではありますが、これがけっこう悩みの種でございまして……。ふさわしくない表現を用いると、一瞬にして雰囲気が台無しになってしまうのですよね」
ティエン 「ああ……それは、分かるかもしれない……」
アウローラ 「『一物』とかにすると、何だか余計にいかがわしくなってしまいますし」
ティエン 「個人的に、その表現、ものすごくおっさんぽい……ていうか、おっさんのアレっていう感じがするんだけど……」
アウローラ 「おっさんのアレ……。何か……聞くだに脱力感に襲われるフレーズでございますね……」
ティエン 「その言い方は、おっさんに失礼だと思うよ……脱力どころか、みなぎってるおっさんも大勢いるはずだし……」
アウローラ 「みなぎってる……。
い、いや、これ以上おっさん路線を突き進んでしまう前に、話を戻しましょう!
――まあ、戻したところで、アレを何と表現すべきか? という話なんですけどね(倒)」
ティエン 「他の表現っていうと……『もの』とか……」
アウローラ 「『もの』ですか……。というと……『AはBのものに指を絡め、優しく扱き上げた』とか……あ、ダメだ!」
ティエン 「何がダメなの……?」
アウローラ 「い、いえ、全然関係ないんですけど。わたくし、この『しごく』という漢字、ダメなんです! ダメというか……この漢字をこういう場面で見ますと、何かこう、おへその辺りがむずむずして参りまして!」
ティエン 「……なんで……?」
アウローラ 「いえ、純粋にわたくしの側の問題なのですけれど。この漢字、『こく』とも読むでしょう? いつも、無意識にそちらで読んでしまって……やっぱり、ものすごくおっさんぽい印象を受けてしまうのですよね……。
他の表現やキャラクターさんが美麗であればあるほど、そのギャップにむずむずしてしまいまして!」
ティエン 「ああ、なるほど、手●キとかのフレーズのイメージが……」
アウローラ 「あああああ! ダメダメ、ダメです! わたくし、その言葉、ホントに恥ずかしいのですよ! ああああ〜!!」
ティエン 「……羞恥プレイ……?」
アウローラ 「プレイというより、ただの羞恥ですね……(恥)」
ティエン 「『もの』は大丈夫なわけ……?」
アウローラ 「あ、それは大丈夫です」
ティエン 「大丈夫なんだ……」
アウローラ 「は! 恥ずかしい繋がりで、もうひとつ思い出しました。わたくし『股間』ということばも、ものすごく苦手なのです!」
ティエン 「こかん……」
アウローラ 「キャー!!(恥)」
ティエン 「アウローラさんの言語感覚って……よく分からないなぁ……」
アウローラ 「うううう。だって何か、お風呂あがりにシパーンってやってる中年男性を思い出しませんか?」
ティエン 「アウローラさんって、単に中年のおっさんが苦手なんじゃないかって気もしてきた……」
アウローラ 「そうなんでしょうか!? ――えーと、また話を戻しますと、他に何があります?」
ティエン 「『彼自身』なんて言ったりもするよね」
アウローラ 「う、うーん。それもあまり……。何だか、雑誌のタイトルみたいじゃないですか?」
ティエン 「そのままストレートに『ペニ●』とか……」
アウローラ 「……わたくしは、それもアリだと思いますね! しかし、書くなら堂々と書きたいです。伏せると、余計に卑猥な感じが(笑)」
ティエン 「あとは……そうだね……『その部分』とか? どの部分だよ、ってツッコみたくなるけどね……」
アウローラ 「……は、でも、それはよく使うかもしれません。『鼓動と同じ速さで疼くその部分に、彼の指がやんわりと絡みつき』とか……」
ティエン 「アウローラさん……『絡みつく』っていう言葉、好き?」
アウローラ 「大好きですね」
ティエン 「や、やっぱり……さっきの例文にも出てきてたから……。ていうか、よくそんなスラスラと例文が出てくるよね……」
アウローラ 「だって、そのような状況って、例も限られてくるでしょう? よほど創造的なプレイをなさる方々の場合は別ですが」
ティエン 「そ、そうかな……?」
アウローラ 「それに、若い頃から、そういった文章にも非常に親しんでおりましたし」
ティエン 「親しんでたの……!?」
アウローラ 「小学校高学年の頃より、団鬼六先生やアン・ライス先生の著作などを……」
ティエン 「だ……!? ていうか、中学生ならともかく、小学生!?」
アウローラ 「ところどころ漢字が読めなくて……『埋没』を『りぼつ』と読んだりしておりましたね……」
ティエン 「ナニがナニに埋没するのかは、敢えて聞かないことにしようっと……」
アウローラ 「自室での隠し場所に苦慮いたしました」
ティエン 「そりゃ苦慮もするよね……。そして例文もスラスラ出るはずだよ……。ていうか、今もあるの、その本……!?」
アウローラ 「いいえ、中学2年生の時、実家が隣家からの類焼で火事になった際、焼けてしまいまして――はっ!?」
ティエン 「な、何?」
アウローラ 「い、いえ、ちょっと今、恐ろしい思い出が……」
ティエン 「恐ろしい思い出……?」
アウローラ 「ええ。わたくし、そういう本は、自分の作品と一緒に、勉強机の一番下の引き出しを引き出した下の空間に隠していたのですが……
そこにしまっていたものは、あまり燃えてはいなかったのですよ。煤と、消火のための水でぐっちゃんぐっちゃんにはなっていましたが、表面が煤けただけで、積み重なっていた部分は、ほぼ無事だったという」
ティエン 「ふんふん……?」
アウローラ 「で、これは早急に抹消しなければなぁ、と思いながら、学校に行きまして――」
ティエン 「登校はしたんだ!?」
アウローラ 「ええ。――そして、家に帰った瞬間、わたくしは凍りつきました! 何と! 勉強机が、下に隠してあったモノもろとも、なくなっていたのです……!!」
ティエン 「なくなっていたの!?」
アウローラ 「聞けば、父上の職場の若い方々が、火事場の片付けの手伝いを引き受けてくださったらしく……彼らの手は、わたくしの勉強机にも及んでいたのでございました……!!」
ティエン 「うわああああ!?」
アウローラ 「あれらが一体どうなったのか、想像すると恐ろしいので、考えないことにしております」
ティエン 「だ、大丈夫だよ……きっとみんな、見ずに捨ててくれたって……(慰)」
アウローラ 「ふ……それから先しばらく、父の職場の方々とは、顔が合わせ辛かったです」
ティエン 「そりゃあ、そうだよねえ……」
アウローラ 「――は、もうこんな時間でございますか!? そろそろ戻りませんと……! また、遊びに参りますから!(だだだだだだ)」
ティエン 「え!? ……あ、行っちゃった……。アウローラさんも最近、忙しいねぇ……。また、近いうちに遊びに来てくれるといいな……」
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