【易水送別】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)寒
〈作者名〉駱賓王(ラクヒンノウ)

此地別燕丹
壮士髪衝冠
昔時人已没
今日水猶寒

此の地 燕丹に別る
壮士 髪 冠を衝く
昔時 人 已に没し
今日 水 猶お寒し



【照鏡見白髪】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)先
〈作者名〉張九齢(チョウキュウレイ)

宿昔青雲志
蹉□白髪年
誰知明鏡裏
形影自相憐

宿昔 青雲の志
蹉□たり 白髪の年
誰か知らん 明鏡の裏
形影 自ら相憐れまんとは



【春暁】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(上)篠
〈作者名〉孟浩然(モウコウネン)

春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少

春眠 暁を覚えず
処処 啼鳥を聞く
夜来 風雨の声
花落つること 知んぬ 多少ぞ



【鹿柴】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(上)養
〈作者名〉王維(オウイ)

空山不見人
但聞人語響
返景入深林
復照青苔上

空山 人を見ず
但だ 人語の響きを聞く
返景 深林に入り
復た照らす 青苔の上



【竹里館】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(去)嘯
〈作者名〉王維(オウイ)

独坐幽篁裏
弾琴復長嘯
深林人不知
明月来相照

独り坐す 幽篁の裏
琴を弾じて 復た長嘯す
深林 人 知らず
明月 来たって相照らす



【登鸛雀楼】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)尤
〈作者名〉王之渙(オウシカン)

白日依山尽
黄河入海流
欲窮千里目
更上一層楼

白日 山に依りて尽き
黄河 海に入りて 流る
千里の目を 窮めんと欲し
更に上る 一層の楼



【静夜思】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)陽
〈作者名〉李白(リハク)

牀前看月光
疑是地上霜
挙頭望山月
低頭思故郷

牀前 月光を看る
疑うらくは 是れ地上の霜かと
頭を挙げて 山月を望み
頭を低れて 故郷を思う



【秋浦歌】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)陽
〈作者名〉李白(リハク)

白髪三千丈
縁愁似箇長
不知明鏡裏
何処得秋霜

白髪 三千丈
愁いに縁って 箇の似く長し
知らず 明鏡の裏
何れの処にか 秋霜を得たる



【独坐敬亭山】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)刪
〈作者名〉李白(リハク)

衆鳥高飛尽
孤雲独去閑
相看両不厭
只有敬亭山

衆鳥 高く飛んで 尽き
孤雲 独り去って 閑なり
相看て 両つながら厭わざるは
只だ 敬亭山有るのみ



【絶句】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)先
〈作者名〉杜甫(トホ)

江碧鳥逾白
山青花欲然
今春看又過
何日是帰年

江 碧にして 鳥逾いよ白く
山 青くして 花然えんと欲す
今春 看すみす又た過ぐ
何れの日か 是れ帰年ならん



【秋夜寄丘二十二員外】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)先
〈作者名〉韋応物(イオウブツ)

懐君属秋夜
散歩詠涼天
山空松子落
幽人応未眠

君を懐うは 秋夜に属し
散歩して 涼天に詠ず
山空しうして 松子落つ
幽人 応に未だ眠らざるべし



【秋日】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(上)語
〈作者名〉耿舶(コウイ)

返照入閭巷
憂来誰共語
古道少人行
秋風動禾黍

返照 閭巷に入り
憂来 誰と共にか語らん
古道 人の行くこと少なり
秋風 禾黍を動かす



【秋風引】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)文
〈作者名〉劉禹錫(リュウウシャク)

何処秋風至
蕭蕭送雁群
朝来入庭樹
孤客最先聞

何処よりか 秋風至る
蕭蕭として 雁群を送る
朝来 庭樹に入るを
孤客 最も先んじて聞く



【憫農】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(上)麌
〈作者名〉李紳(リシン)

鋤禾日当午
汗滴禾下土
誰知盤中餐
粒粒皆辛苦

禾を鋤いて 日 午に当たる
汗は滴る 禾下の土
誰か知らん 盤中の餐
粒粒 皆辛苦なるを



【江雪】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(入)屑
〈作者名〉柳宗元(リュウソウゲン)

千山鳥飛絶
万径人蹤滅
孤舟簑笠翁
独釣寒江雪

千山 鳥 飛ぶこと絶え
万径 人蹤滅す
孤舟 簑笠の翁
独り釣る 寒江の雪



【尋隠者不遇】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(去)御
〈作者名〉賈島(カトウ)

松下問童子
言師採薬去
只在此山中
雲深不知処

松下 童子に問えば
言う 師は 薬を採り去ると
只だ 此の山中に在り
雲深くして 処を知らず



【勧酒】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)支
〈作者名〉于武陵(ウブリョウ)

勧君金屈卮
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離

君に勧む 金屈卮
満酌 辞するを須いず
花発けば 風雨多し
人生 別離 足る



【楽遊原】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)元
〈作者名〉李商隠(リショウイン)

向晩意不適
駆車登古原
夕陽無限好
只是近黄昏

晩に向んとして 意適わず
車を駆りて 古原に登る
夕陽 無限に好し
只だ是れ 黄昏に近し



【尋胡隠君】

〈形式〉五言絶句
〈韻〉(平)麻
〈作者名〉高啓(コウケイ)

渡水復渡水
看花還看花
春風江上路
不覚到君家

水を渡り 復た水を渡り
花を看 還た花を看る
春風 江上の路
覚えず 君が家に到る