昆河線用メーターゲージ客車  


昆河線用メーターゲージ客車解説
 昆明北駅からベトナム国境の河口まで伸びる昆河線及び、そのいくつかの支線群は、フランス統治時代に雲南省とベトナム北部の港湾都市ハイフォンを結ぶテン(さんずいに真)越鉄道の一部として建設された路線で、その歴史的経緯から軌間1mのメーターゲージを採用しています。また、このため客車も国鉄の標準型客車をそのまま縮めたような独特のスタイルの車両が投入されています。

 かつてはベトナムのハノイまで直通する国際列車も運行されていましたが、峡谷を縫うように走り、平均時速が20km/h強と余りにも時代離れした交通手段だったためか、2002年に土砂崩れ災害で不通になって以降、災害復旧後も客車列車が復活することはありませんでした。
 現在では昆明北〜王家営間23km、昆河線全線のわずか20分の1の区間を通勤列車が一日二往復しているにすぎず、余剰となった多くの客車はミャンマー国鉄に譲渡されてしまったそうです。


DATA

製造初年 1991年
車体長  16004mm
車体幅  2650mm
車体高  3658mm
自重    26.7t
定員    58/62
硬座車 YZM1 646 昆明北站
 目下のところ昆河線の主力車両、M1形客車です。形式名のうちMはメーターゲージを意味する米軌(Migui)の頭文字をとったものと思われます。外見から見て判るようにベースとなったのは25系客車で、ちょうど25系客車を縮めたようなスタイルをしています。
 硬座車、硬臥車、軟臥車が製作されていますが、その多くは客運の縮小とともに余剰となりミャンマーに譲渡されたそうです。設計最高速度は80km/h。


M1形硬座車の車内。
25系硬座車に似ていますが、車体幅が狭いため座席は通路を挟んで二人-二人がけになっています。
硬臥車 YWM1 車内




DATA

製造初年  1991年
車体長  16004mm
車体幅  2650mm
車体高  3658mm
自重    28.4t
定員    26/39
硬臥車 YWM1 855 昆明北客運段
 M1型硬臥車。
 かつては昆明北〜ベトナム国境の河口や、さらに遠くベトナムのハノイまでの列車に使用されていましたが、長距離列車が廃止された現在、全くの余剰車となり、仲間のほとんどはミャンマーに譲渡されてしまいました。
 寝台は、三段式、二段式の二種あったようで、写真の855号は二段式でした。


DATA

製造初年 1975年
車体長  16006mm
車体幅  2650mm
車体高  3672.5mm
自重    26.3t
郵便荷物合造車 XU30 545 昆明北站
 30系客車は22系ベースのメーターゲージ客車で、外観、内装ともに22系の縮小版といえる車両です。同じ30系を名乗る客車に標準軌の市郊用改造客車がありますが、それとは全く別系統の車両となっています。
 従来昆河線を走っていた木造客車を淘汰するために70年代〜80年代にかけて増備され、その車種も硬座車、硬臥車、軟臥車、餐車など多岐に渡り、長らく昆河線の主力として活躍しました。しかし近年の客運縮小に伴い大幅に整理され、その多くはM1形同様ミャンマーに渡ったといいます。現在は写真の郵便、荷物合造車両が昆明口にわずかに残った定期列車に使用されているに過ぎません。


XU30形の荷物室部分。
現在は本来の使われ方ではなく、行商人の荷物置き場として使用されている模様。
郵便荷物合造車 XU30 車内


郵便室部分にあった郵便の区分棚。現在は機能していません。
郵便荷物合造車 XU30 車内


かつては交通が不便な地域への移動郵便局的な役割も担っていたのでしょうか?
車体側面にはポストもついていました。
郵便荷物合造車 XU30 車内


DATA

製造初年 1985年
車体長  14000mm
車体幅  2650mm
車体高  3668.5mm
自重    24.5t
定員    133
硬座車 YZ31 301 昆明北站(画像提供 ボーゲン様)
 YZ31形といえば、標準軌の市郊用車両を主に指しますが、メーターゲージ路線にも存在します。
 メーターゲージのYZ31形は平戦両用客車として開発された車両で、平時にはロングシートの市郊用。戦時には戦傷者輸送用の硬臥車としても使用できる設計になっているそうです。
 現在は行商人専用の荷物車両として使用されています。


硬座車 YZ33 371 雲南省鉄道博物館
 硬製車が投入される以前に働いていたフランス製木造客車です。
 80年代末期位まで支線区で現役だったといいます。
 現在は昆明北駅にある雲南鉄路博物館に371号、372号の2両が保存されています。


木製のクロスシートが並ぶ、YZ33形車内。
硬座車 YZ33形 車内


DATA

製造初年 ?年
車体長  16006mm
車体幅  2650mm
車体高  ?mm
自重   29.3t
定員   10
維修車 WX 980 昆明北客運段
 メーターゲージ路線にも事業用客車は存在します。
 これは保線用の事業用車です。ドアの形から見て、相当新しい車両のように思えます。


DATA

製造初年 1974年
車体長  16006mm
車体幅  2650mm
車体高  3672.5mm
自重   28.0t
定員   26
試験車 SY30 905 昆明北客運段
 これは車内に各種計測機器を積んだ試験車です。
 窓配置、定員から考えて、ベースになったのはかつての食堂車CA30形と思われます。


DATA

製造初年 ?年
車体長  16006mm
車体幅  2650mm
車体高  3658mm
自重   26.3t
定員   ?
試験車 SYM1 906 昆明北客運段
 こちらはM1形ベースの試験車です。