25T(BSP)系  


25T(BSP)系解説
 広い中国を走る中国国鉄において車両のスピードアップは至上命題です。中国国鉄のダイヤ改正の歴史はすなわちスピードアップの歴史と言い換えても過言ではありません。ここで紹介する25T系Tはスピードアップを意味する提速(TiSu)の頭文字から採られているように、この系列を語る上で、ダイヤ改正は切っても切れない関係にあります。

 2004年4月18日、中国国鉄は第5次ダイヤ改正を行いました。この改正の目玉として登場したのが、夕方から夜にかけて出発、途中停車駅なしのノンストップで最高速度160km/h走りぬけ、早朝に目的地に到着する直達特快列車です。列車番号の頭に「Z」がつくことから通称「Z特快」と呼ばれるこの列車、全列車軟臥、もしくは軟座で編成され、豪華な客室設備、よりぬきの乗務員によるソフトな接客、一部列車には無料食事サービスまでつくという徹底振りで、その内容はまさに「走るホテル」の名にふさわしく、今までのサービス無視の中国列車の常識を覆す列車となっています。夜発朝着の飛行機の空白時間を上手く利用したダイヤ設定とあいまって、いままでの富裕層は飛行機利用、貧困層は鉄道利用という棲み分けを打ち破るべく、飛行機との競争を十分に意識した列車となっています。25T系列はこの中国鉄道において革命的な列車、「Z特快」に使用される現在の中国国鉄一の花形車両です。
 25Tは他の系列と異なり製造メーカーによって大まかに2タイプに分けられますが、ここでは先に登場したBSP製の車両を解説することにします。

 25T(BSP)系は、04年4月18日のダイヤ改正に先立つこと半年、2003年末から投入が開始された160km/h対応の客車で、製造メーカーは、カナダ・ボンバルディア社と中国との合弁会社、BSP社です。カナダとの合弁メーカー製ということが影響しているのか、車体寸法こそ車体長25.5mと従来の客車を踏襲しているものの、外観は深い屋根と小さく横長の窓を持つ中国客車離れした重厚なフォルムへと大幅なモデルチェンジが施されています。性能的には最高速度は160km/hと25K系列と変わりませんが、運行最高速度を保ったままの長時間運行に耐えられるよう台車などの足回り装置に若干の改良が加えられています。

 製造車種は軟座(RZ)、軟臥(RW)という優等車種と餐車(CA)のみ。給電方式には25G系列、25K系列と同様に集中電源方式を採用していますが、東風11G、韶山7E、韶山9Gといった、発電機搭載の機関車に連結され、供電を受けることが前提のため空調発電車は存在しません。
 
 25T(BSP)系は現在、北京局、上海局に所属し北京-上海、北京-杭州を結ぶZ特快と、上海-南京、上海-寧波を結ぶ城際列車で運用されています。
 
DATA

製造初年 2003年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    46.4t
定員    78
軟座車 RZ25T 111037 北京客運段
 25T(BSP)系列の軟座車。
 25T(BSP)系列ではなぜか軟座車のみ床下をすっぽりスカートで覆うボディマウント方式が採用されています。
 上海地区の昼行特急、北京地区では夏場の北戴河行き臨時列車に使用されるほか、北京〜上海/杭州を結ぶ夜行列車の座席車としても使用されています。


25T軟座車の車内。固定式の2人がけ、いわゆるロマンスシートを採用しています。
座席の向きは車体中央部を境に変わる集団お見合い式です。
軟座車 RZ25T(BSP) 車内


DATA

製造初年 2004年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    47.9t
定員    36
軟臥車 RW25T(BSP) 553717 北京客運段
 25T(BSP)系列の軟臥車。
 4人部屋×9室の車内構成は、他の25系軟臥車と同一。
 北京〜上海/杭州間を結ぶZ特快専用車です。


 25T(BSP)系軟臥車車内。シンプルながらも、高級感をかもし出すそのデザインは中国車両屈指。
軟臥車 RW25T(BSP) 車内


DATA

製造初年 2004年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    47.0t
定員    36
餐車 CA25T(BSP) 893255 北京客運段
 25T(BSP)系列の餐車。
 軟臥車と同様、北京〜上海/杭州間のZ特快に使用されています。

 餐車車内。
 テーブルクロスのかかったテーブルや、豪華な椅子は走るレストランの名に恥じません。
 ちなみにこの写真の反対側にはバーカウンターもついています。
餐車 CA25T(BSP) 車内