25T(進蔵)系  


25T(進蔵)系解説
 2006年7月1日。世紀の大プロジェクトと言われた青蔵鉄道が全通し、チベット自治区の省都ラサまでの直通列車が走りはじめました。この、最高地点で標高5000mを越えるという前代未聞の標高を走る青蔵線での車内を安全かつ快適に過ごすために、この区間は高所専用の特殊装備を備えた客車が走ることになりました。それが、この25T(進蔵)系客車です。

 25T(進蔵)系にはBSP及び南車製の二種類あり、車体はそれぞれの製造会社の25T系列車体に準拠しており、車両の基本的な性能については、これらの車両とそう変わるところはありません。
 しかし、車内設備については、高所を走る列車ということで大幅な変更が加えられました。もっとも目立つ変更点は車内に気圧を一定に保つための酸素供給装置が取り付けられたことです。この装置により、標高5000mを越える高地でも、平地と変わらず快適に過ごすことができるという触れ込みです。この酸素供給装置を各客車に設けたために定員は通常の客車より座席(またはコンパートメント)一ブロック分減少しています。
 窓についても密閉度の高い二重窓を採用することで、車内の気圧を一定に保つとともに、高地における強い紫外線を防ぐ仕組みになっています。
 また、トイレに関しては、25Tの南車・北車製から採用された汚物の真空吸引システムをBSP社製にも採用し、汚物を車外に流すことがないよう環境にも配慮しているそうです。

 外観上、もっとも目立つのは緑色に黄帯の緑皮塗装でしょうか。この車体色は非空調車に使用されることで古臭いイメージがありますが、それとともに政府要人専用車両に使われる車体色でもあります。国、言い換えるなら共産党、を意識させる車体色をあえてチベットに入る車両に採用したのは、チベット自治区が鉄道が開通したことで名実ともに中国の領土になったことを内外に知らしめるという思惑が働いていると考えるのは穿ちすぎでしょうか?

 現在、青蔵線のゴルムド以西の新線区間を走るのは以下の4列車。
 北京-ラサ(毎日運行)
 上海/広州-ラサ(上海/広州発隔日運行)
 成都/重慶-ラサ(成都/重慶発隔日運行)
 西寧/蘭州-ラサ(西寧/蘭州発隔日運行)
 北京、上海、広州発をBSP製、成都、重慶、西寧、蘭州発を南車製の車両がそれぞれ担当しています。このうち、広州-ラサを結ぶT263-266次列車は、4980kmを最大56時間10分で駆け抜ける国内最長距離列車となっています。
 
DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    51.9t
定員    98
硬座車 YZ25T(BSP・進蔵) 350925 西安站
 BSP製のチベット客車硬座車。
 チベットへ行く列車の編成は出発地がどこであれ、必ず
硬臥+硬臥+硬臥+硬臥+軟臥+軟臥+食堂車+硬座+硬座+硬座+硬座+硬臥+硬臥+硬臥
 この15両編成になります。硬座車は編成中4両です。


通常の車両に比べてゆったりとした軟座並みの車内のチベット客車の硬座車。
とはいえ、走行距離の長いチベット行き列車、座席で夜を過ごすのはきつい話です。
硬座車 YZ25T(BSP・進蔵) 車内

DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    ?t
定員    98
硬座車 YZ25T(南車・進蔵) 350991画像提供ボーゲン様
南車製のチベット客車硬座車。
BSP製とは異なり窓が大きく通常の南車製25T型に準じた車体構造となっています。

DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    54.1t
定員    54/60
硬臥車 YW25T(BSP・進蔵) 676501 西安站
 BSP製のチベット客車硬臥車。
 編成中7両連結されます。身体障害者用のトイレを備えた車両の定員は54名。それ以外の車両の定員は60名となります。


チベット客車の硬臥車車内。
他の25T系列硬臥車同様、車内はセミコンパートメントになっています。
硬臥車 YW25T(BSP・進蔵) 車内


DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    ?
定員    54/60
硬臥車 YW25T(南車・進蔵) 676616 成都站(画像提供 ボーゲン様)
南車製のチベット客車硬臥車。
車体形状がBSP製とは異なります。


DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    53.3t
定員    32
軟臥車 RW25T(BSP・進蔵) 554454 西安站
 BSP製のチベット客車軟臥車。
 編成中2両連結されます。


チベット客車、軟臥車の通路部分。
酸素供給装置のせいで、四人部屋コンパートメントが8室と通常の25系軟臥車に比べて1室少なくなっています。
軟臥車 RW25T(BSP・進蔵) 車内


DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    ?
定員    32
軟臥車 RW25T(南車・進蔵) 554496 西安站
南車製のチベット客車軟臥車。
車体形状がBSP製とは異なります。

DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重   52.2t
定員   44
餐車 CA25T(BSP・進蔵) 893422 西安站
 BSP製のチベット客車の食堂車です。


チベット客車の食堂車車内。夜発朝着が多い25T系列の中でラサ行き列車は例外的に長距離を走ります。
そのため、バーカウンターを廃止して、食卓を増やし定員を確保しています。
餐車 CA25T(BSP・進蔵) 内部


DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重   ?t
定員   44
餐車 CA25T(南車・進蔵) 893445 画像提供ボーゲン様


DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4286mm
自重    85.8 t
空調電源車 KD25T(南車・進蔵) 999267 西寧站
 南車製のチベット客車空調電源車。
 25T系列は供電装置付の機関車と組んで使用されるのが前提のため、空調発電車は通常は使用されません。しかしラサ行き列車の西寧以西の非電化区間で使用される機関車にはこの供電装置がないため、西寧で空調電源車が増結されます。
 発電機関には高地での使用に耐える特別製のエンジンを搭載しているそうです。そのためか分かりませんが車体長は他系列の空調電源車よりも3.5m長く、一般客車と同じ25500mmになっています。