25G系  


25G系解説
 80年代まで中国国鉄では外国人が乗車する機会が比較的多い広州⇒深セン間や一部の軟座、軟臥車以外ではほとんど冷房付きの客車を使用していませんでした。しかし、90年代に入ると改革開放政策により中国経済は急速に発展、エアコンがそれまでの一部の限られた層向けの贅沢品ではなく広く一般大衆のものとして認識されるようになると、中国国鉄でもこの潮流にあわせるように一般向けの空調付き客車の開発に着手することになりました。

 中国国鉄が開発した冷房付き客車としては、それまでに25系客車や25A系客車が存在しましたが、外国製部品を多く使用していたため製造コストが高く、いずれも少数の生産にとどまっていました。25GのGは中国語の(改進gaijin)の頭文字Gをとって名付けられたことからも分かるように従来の25系や25A系客車をベースとして、車体のみならず、冷房装置・機器関係も極力国産品を使用し、製造コストの低減を図ったもので、いわば25/25A系客車の廉価、量産化バージョンというべき存在といえます。

  25G系は1991年に試作車が完成したのち、95年より本格的に量産化が開始。95年といえば、国鉄の運賃大改革の年で、この年より運賃は新形空調車と非空調車の二本立てとなり、空調付き車輌が飛躍的に増加した時代と一致します。新形空調車とは、ちょうど日本でいう20系・24系客車のように、編成中にディーゼルエンジンと発電機を装備した空調電源車(KD)をつなぎ、電源車から一括して全車両に空調用の電源を供給するシステムを持つ車輌のことを指します。25G系列は、前述の25/25A系とともに、以後製作される多種多様な新型空調客車の先駆けとなった車輌です。

 長距離列車から短距離列車まであらゆる運用をこなすために、硬座車(YZ)、軟座車(RZ)、硬臥車(YW)、軟臥車(RW)、餐車(CA)、行李車(XL)、郵政車(UZ)、など、主要車種は全て網羅。その車体色は新形空調客車であることを示すため、グレーを基調とし、窓周りに鮮やかな朱色、窓の下にオレンジ色の帯を配した鮮やかな配色となり、現在カラフルな車体が増えた中国国鉄の中ではいささか地味ではありますが、当時くすんだ緑色の車体ばかりだった中ではひときわ輝く存在でした。

 現在では最高速度が120kmということで、最高速度160kmにスピードアップされた特快運用こそ降板していますが、快速、直快運用などで幅広く運用されており、現在中国でもっとも目にする機会の多い形式の一つといえます。2002年製造車からは、自動扉を装備し、硬座寝台をセミコンパートメント方式にした改良車も投入されるなど、初登場から15年が過ぎてますます全国の鉄路の一線で活躍が期待される形式です。 


DATA

製造初年 1993年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    46t
定員    118
硬座車 YZ25G 344347 太原站
  25G系列の硬座車。
 長距離客車における居住性を考慮してシートピッチは1640mmとベースとなった25A系客車より120mm拡大されています。このため、定員は118名と一回り小型の22系硬座車と同一となっています。またシートピッチ拡大に伴う定員減少のため客用窓が片側12枚と25Aや25B系に比べて一枚減っています。


YZ25G形は停車駅の比較的多い快速列車で、長距離運用につく場合が多く、硬座車は常に混んでいる印象があります。
硬座車 YZ25G形 車内


硬座車 YZ25G 030017 北京機務段
 北京から山東半島の先端部、威海までを結ぶ快速列車に連結されている硬座車。桃村〜威海間は、威海鉄路という地方鉄道が経営しており、北京〜威海を結ぶ列車は、威海鉄路の所属車になっています。そのため、国鉄と同じ25G系列ですが、独自ナンバーをふられています。


 2002年以降の製造車からは、客用扉がプラグドアタイプの自動扉となりました。
 台車を除けば25K系とそっくりの外観となっています。
硬座車 YZ25G 350472 北京西客運段



DATA

製造初年 1993年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4433mm
自重    44.8t
定員    80
軟座車 RZ25G 010049 紹興站(画像提供 ボーゲン様)
 25G系の軟座車RZ25G。25G系は主に長距離に使用される形式のため短距離列車に連結される軟座車は稀少な存在です。車内構成は25B系軟座車と同じ向かい合わせの固定式クロスシートで定員80名。
 写真の25Gは寧波地区の蕭甬鉄道所属車で6桁目が0ではじまる独自ナンバーをふられています。また車体色は何故か快速色ではなく広州地区の25Z系と同様のカラーリングになっています。


DATA

製造初年 1991年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    48t
定員    66
硬臥車 YW25G 669580 北京北站
 一般的な25G系硬臥車の外観です。



25系硬臥車車内。
車内には幅60cmの三段ベットが並びます。
硬臥車 YW25G形 車内


ベット部分はこんな感じです。
硬臥車 YW25G形 車内


 2002年以降の製造車からは、プラグドアが採用されました。
硬臥車 YW25G 674378 北京機務段


25G系後期車の硬臥車内部。
扉こそないものの、各寝台区画と通路の間に仕切りが設けられたセミコンパートメントタイプになりました。
硬臥車 YW25G 内部



DATA

製造初年  1991年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    45.0t
定員    36
軟臥車 RW25G 552022 北京機務段
 25G系軟臥車外観。
 

RW25G形軟臥車車内。他の25系客車と同じく4人部屋のコンパートメントが9室、定員36名です。
軟臥車 RW25G 車内


威海鉄路の所属の軟臥車で独特の窓配置をしています。
定員は30名とのことで、あるいは二人部屋の高級軟臥と四人部屋の一般軟臥との合造車なのかもしれません。
軟臥車 RW25G 050004 北京機務段


2002年以降に製造されたプラグドアタイプのドアを持つ車輌です。
軟臥車 RW25G 554367 北京西客運段


DATA

製造初年 1991年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4283mm
自重    44.5t
定員    48
餐車 CA25G 892187 北京西客運段
 25G系の餐車、CA25G。こちらは公式側外観です。



こちらが非公式側となります。
向かって左から業務用扉、厨房、食堂部分となります。
餐車 CA25G 892301 北京西客運段


2002年以降に製造されたCA25Gの後期車です。
餐車 CA25G 893559 北京西客運段


餐車 CA25G 892318 車内


餐車 CA25G 892710 厨房


DATA

製造初年1995年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4433mm
自重    46.0t
行李車 XL25G 206553 北京機務段
 25G系の荷物車です。


独自ナンバーがふられた威海鉄路所属の25G系荷物車。
行李車 XL25G 020002 北京機務段


DATA

製造初年1994年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4433mm
自重    46.8t
郵政車 UZ25G 8164 南口站
25G系の郵便車、UZ25G。
空調装置が搭載されたこと以外はUZ25Bと同型です。


DETA

製造初年1996年
車体長  22000mm
車体幅  3105mm
車体高  4213mm
自重    60.0t
空調電源車 KD25G 998609 北京機務段
 25G系は日本の24系客車のように集中電源方式を採用しており、そのため電源供給用に一編成に一両必ず空調発電車(KD)を連結しています。車内には乗務員用のトイレや休憩室、機器室、機器冷却室などを備えています。
 発電用エンジンはフランスのMTU社やアメリカのカミンズ社製。発電機はシーメンスのライセンス生産品を三台(出力320kw×3)装備しています。


DATA

製造初年 1990年
車体長  22000mm
車体幅  3105mm
車体高  4280mm
自重    60.4t
空調電源車 KD25G 997654 北京機務段
 空調電源車は製造時期によって窓配置、通気孔位置などがさまざまで同じ25G系列の車両といっても外観のバリエーションは豊富です。この車両は窓形状からも分かるように25G系空調電源車では最初期に登場した車両です。


DATA

製造初年 1995年
車体長  22000mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    62.0t
空調電源車 KD25G 998069 北京北站
空調電源車のバリエーションの一つ。
上の二車種とも窓配置、通気孔の配置が異なっています。


DATA

製造初年 ?年
車体長  22000mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    63.8t
空調電源車 KD25G 997733 月牙河臨時駅
リブ付車体の最も古いタイプ空調電源車です。