25B系  

25B系解説
 1990年代に入るとそれまで約30年にわたり綿々と製造が続けられてきた22系客車の製造がついに打ち切られることになりました。この22系に代わって1991年から登場したのが、25系客車の非空調バージョン車で、標準(biaojun)の頭文字Bを採って25B系と名づけられました。

 25B系のベースとなったのはすでに登場していた25G系空調車で、25B系は25G系の基本設計はそのままに空調設備を取り除いたものと言う事ができます。空調車をベースに非空調車を作るというのは日本の事情を考えると少々奇異に映るかもしれませんが、中国国鉄の基本料金は大きく分けて非空調料金と空調料金の二本立てとなっており、運賃の安い非空調車は低所得者層を中心に利用率も高く、そう簡単に非空調車輌を空調車輌に置き換えられないという事情がありました。

 
車体外観及び内装は、非空調であることを除けば、すでに登場していた25G系とほぼ同一仕様の車体長25.5mの大型車体ですが、22系と混運用することが前提のため22系と連結しても違和感がないよう車体色を22系と揃えた、いわゆる緑皮車塗装となっているのが外観上の大きな特色となっています。また22系の穴を埋めるべく短距離から長距離まで幅広く運用されることが前提のため、25G系同様硬座、軟座、硬臥、軟臥、餐車、行李車、郵政車など、主要な車種は全て網羅しているというのもその特徴の一つでしょう。

 25B系が登場した90年代初頭は、まだ特快であっても非空調車輌での運用が当たり前という時代で、非空調車輌のレベルアップという重責を担い、全国各地の優等運用で活躍した当系列ですが、近年は相次ぐ新車の登場で、北京や上海といった大都市周辺や、1泊2日以上かけて走る長距離での運用は減少の一途を辿っています。しかし、しかし発展から取り残された内陸部では、運賃の安い非空調列車が沿線住民の欠かせない足になっていることも多く、硬座車を中心に今もなお少数が製造され続けているたいへん息の長い系列でもあります。
 また、長距離運用から撤退したことで25B系の中でも余剰気味の硬臥、軟臥といった寝台車の中には、冷房改造、塗装変更をして25G系編成中に組み込まれている車輌や、台車を160km対応のものに交換して25K系に編入された車輌も存在します。


DATA

製造初年 1992年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    43t
定員    128
硬座車 YZ25B 342714 瀋陽
 25系客車の中で最も一般的な硬座車。22系に較べて車長が1.9m長くなったため、22系の定員118名に対して128名と1ボックスぶん増加しています。
 主に普快列車や普通列車で22系客車と混用されています。


 標準的な25B系硬座車の室内です。
 22系に較べて内装が若干近代化されているものの2-3人配置のクロスシートなど、その基本構造は変わっていません。
 シートピッチは22系の1500mmに比べ、1540mmと若干広くなりました。
硬座車 YZ25B 車内



DATA

製造年 1991〜1992年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    50.2t
定員    80
軟座車 RZ25B 110477 北京南站
 25B系の軟座車、RZ25Bです。基本的には非空調車輌の25B系ですが、軟座車両は優等車種のため、冷房を搭載しています。冷房用電源は、床下に搭載したディーゼルエンジンにより発電して、電源を空調機に供給します。
 車内はクッションの効いた固定式、向かい合わせのソファ(シートピッチ1900mm)が並んでおり、その基本構造は22系の軟座車と変わりません。
 北京周辺では、張家口や唐山行きなど、短距離の普快列車に編成されています。


軟座車RZ25Bの車内。
固定式ではありますがゆったりとした向かい合わせ式のクロスシートが並んでいます。
シートピッチは1900mmです。
軟座車 RZ25B 車内


DATA

製造年  1992年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    43.0t
定員    80
軟座車 RZ25B 110455 広州站
 こちらは広州地区で使用されるRZ25B形。他地区で使用される車両とは異なり、RZ25形と混運用されるのが前提のため、屋根高さ以外の車体の仕様を極力25系にあわせているため、かなり印象が異なります。また集中電源式を採用しており、車体色も25Gと同系色となっています。
 現在は主に広州と韶関を結ぶ管内快速に使用されています。


広州地区で使用されるRZ25B形軟座車車内です。車内仕様についても広州地区で使用されるRZ25形にあわせた設計になっており、シートピッチ970mmのリクライニングシートが並びます。
軟座車 RZ25B 車内


広州地区のRZ25B形で使用される座席です。
リクライニングは二段階できますが、座席の転換はできません。
軟座車 RZ25B 車内


DATA

製造初年 1991年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    50.1t
定員    66
硬臥車 YW25B 672730 北京機務段
 25B系硬臥車、YW25B。
 幅60cmの三段式寝台が22組で定員66名です。
 主に普快列車で運用されていますが、非空調車輌の長距離列車が減っているため、近年は減少気味です。


三段寝台の並ぶ25B系硬臥車車内。
22系の硬臥がリニューアルが進行中ののため、現在設備的に最も見劣りする硬臥車かもしれません。
硬臥車 YW25B 車内


 25B系の中にはこのように空調を装備した車輌もあります。空調電源は、ディーゼル発電式です。
 この車輌は窓を固定式にした寒地向け車輌で、外観は塗装を除けば25G系にそっくりです。
硬臥車 YW25B 671846 燕山站



 25B系の硬臥車には、近年冷房改造のうえ、三相交流用の引き通し回路を設けて車体色を25G系と同一色に塗り替え25G系に編入改造を受けた車輌も存在します。
 オリジナルの25G系硬臥車との相違点は、編入改造車はドアの上に車種を表記する小窓の有無程度です。
硬臥車 YW25B 668014 北京北站



DATA

製造初年  1992年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    51.5t
定員    36
軟臥車 RW25B 551707 瀋陽
 25B系の軟臥車RW25B。車内にはベット幅70cmの二段ベットを二組備えた四人部屋が九室あり定員は36名となっています。床下に発電装置を持つとともに、集中電源用の三相交流引き通し線も備えているため25B編成にも、25G編成にも混結使用できます。 
 写真の1992年に登場したRW25Bの初期型で、後年登場した車輌に較べて横長の窓を持っていることが大きな特徴となっています。



軟臥25B系通路。
4人部屋のコンパートメントが9室あり、定員は36名です。
軟臥車 RW25B 車内


軟臥車 RW25B 室内


 こちらは正方形に近い窓を持つRW22後期車です。
 固定窓のため北方用の車輌と思われます。
軟臥車 RW25B 551759 北京機務段



 RW25B形の中には硬臥車同様、現在は25G系塗装に塗られて25G系に組み込まれている車輌も多く存在します。
 写真の551864もその一つ。25Gに改番されていますが、窓が全て開閉式になっていること、屋根上にベンチレーターが存在することなどからその出自が分かります。
軟臥車 RW25G 551864 瀋陽站


DATA

製造初年  1993年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    48.0t
定員    48
餐車 CA25B 893126 北京機務段
25B系の食堂車、CA25B。
空調タイプと非空調タイプがあり、写真は空調タイプ。非空調編成に連結されるため、発電用電源は床下のディーゼル機関で確保しています。
25B系編成の食堂車はCA23形を連結していることが多く、CA25Bの製造両数はそれほど多くはありません。


DATA

製造初年1994年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    42.0t
行李車 XL25B 205206 北京西客運段
25B系の行李車。
写真の205206号は「中鉄行包快逓」(日本で言う荷レ)専用車両です。


DATA

製造初年1994年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    46.8t
郵政車 UZ25B 7893 北京東便門(画像提供 ボーゲン様)
 25B系の郵政車。
 郵政車は長距離列車に連結されることが多く、連結相手にあわせて25B系であっても25Gカラーに塗られていることが多く、緑皮のUZ25Bは非常に稀少な存在です。


UZ25Bは、この車両のように快速色に塗られている車両がほとんどです。
郵政車 UZ25B 7936 月牙河(天津)臨時站


DATA

製造初年  1989年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4750mm
自重    53.2t
定員    182
双層硬座車 SYZ25B 342168 広州站
 中国における二階建て客車の歴史は1961年四方工場で製造された22系二階建て車両にはじまりますが、一編成のみの試作車で、北京〜瀋陽・上海〜杭州間を運行したのち1982年廃車されています。
 この22系試作二階建て客車の経験を生かして1989年に登場したのが25B系二階建て客車で、まず短距離での使用を目的とした二階建て硬座(SYZ25B)・軟座(SRZ25B)がデビュー。上海〜南京間や北京〜天津間などに投入され運用を開始しました。運用当初は旅遊列車として使用され、通常の車両より1ランク上の車両として扱われていたようです。今の城際列車の先駆けといえるでしょう。
 写真の342168号は、二階建て客車の中でも初期型にあたる車両で、出入り口が低床ホームに対応して車体中央寄りに付いているのが特徴です。二階建て車両のカラーリングは各地方ごとに多彩ですが、この車両は二階建て客車の標準色であるオレンジとクリームのツートンに塗られています。


二階建て硬座車の室内です。
通常の硬座車と同様、通路を挟んで二人がけ-三人がけのクロスシートが並びます。
写真は初期型、二階部分の車内で定員は182名と通常の初期車に較べ定員は五割り増しになっていますが、天井が低く圧迫感があります。
双層硬座車 SYZ25B 車内


DATA

製造初年  1994年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4750mm
自重    52.6t
定員    174
双層硬座車 SYZ25B 345078 北京西客運段
 二階建て車両の中でも1994年製造以降に製造された後期車は、乗降ドアが車端部に寄ったデザインに変更され、かさ上げホームにも対応できるようになり、最高速度も従来の120km/hから140km/hに引き上げられています。写真の345078号はその後期車にあたる車両です。


後期型二階建て硬座車の一階部分車内です。
後期型車両の定員は初期型に比べて8名少ない174名となっています。
双層硬座車 SYZ25B 車内


DATA

製造初年  1989年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4750mm
自重    53.3t
定員    110
双層軟座車 SRZ25B 110537 瀋陽站
大連〜瀋陽北を結ぶ城際特快「遼東半島号」に使用されている初期型の25B系二階建て軟座車です。低床ホームに対応して扉は車体中よりに設置されています。


車内は25B系軟座車と同じく通路を挟んで二人-二人固定式クロスシートが並びます。
双層軟座車 SRZ25B 車内


車内に簡単な仕切りを設けたセミコンパートメントタイプの車両もあります。
双層軟座車 SRZ25B 車内


DATA

製造初年  1994年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4750mm
自重    ?
定員    108
双層軟座車 SRZ25B 110651 月牙河(天津)臨時站
 25B系二階建て軟座車、SRZ25B。写真の110651号は乗降扉が両端に寄った後期型。


DATA

製造初年  1992年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4750mm
自重    55.0t
定員    80
双層硬臥車 SYW25B 670035(画像提供 ボーゲン様)
 当初短距離用として座席車のみが製造された二階建て客車ですが1992年以降、硬臥車、軟臥車、餐車が製造されるようになり車種のバリエーションが豊富になりました。
 写真の二階建て硬臥車SYW25Bは広州から広東省東部の梅集、汕頭を結ぶ広梅汕鉄道の所属で、広梅汕鉄道のオリジナルカラーに塗られています。



 二階建て硬臥車、SYW25Bの車内。
 天井が低いため、車両の両端に配置された2区画のみ三段寝台。一階部分8.5区画及び二階部分8.5区画は二段式ベット になっています。
双層硬臥車 SYW25B 車内


二階建て硬臥車、SYW25Bの車内。寝台部分です。
双層硬臥車 SYW25B 車内


DATA

製造初年  1992年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4750mm
自重    ?
定員    50
双層軟臥車 SRW25B 552302(画像提供 ボーゲン様)
 広梅汕鉄道カラーに塗られた二階建て軟臥車SRW25B形です。


二階建て軟臥車、SRW25Bの車内。
 車両の両端に四人部屋コンパートメントを4室配置。階下部分は四人部屋7室、階上部分を二人部屋7室として定員50名を確保。
 二階建て軟臥車は階上部分が高級軟臥に匹敵する二人部屋なのに対して階下部分は天井が低いにもかかわらず通常の軟臥車と同じ四人部屋のままのため、階下と階上でかなり居住性に差があります。
双層軟臥車 SRW25B 車内


DATA

製造初年  1992年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4750mm
自重    54t
定員    72
双層餐車 SCA25B 892441 恵州站(画像提供 ボーゲン様)
 二階建て食堂車SCA25B形です。SCA25B形は一階32席、二階40席で定員72名と通常の25系食堂車の50%増しの定員を確保しています。
 二階建て車両は主に短距離列車に使用されるため、食堂車が連結されることは少なく、また連結される場合でも食堂車のみ平屋車両を使用する場合が多く二階建て食堂車は稀少な存在で、特にSCA25B型の連結が確認されているのは武昌〜恵州間を運行しているK435〜438次の快速列車のみとなっています。


二階建て食堂車の二階部分です。
双層餐車 SCA25B 892058 車内


25G系と同系色に塗られた二階建て硬臥車です。
以前は北京〜大連間の特快に使用されていましたが現在は瀋陽〜綏芬河を結ぶ2727/2728次普快列車に使用されています。
双層硬臥車 SYW25B 668345 瀋陽站


25G系と同系色に塗られた二階建て軟臥車です。
硬臥車同様、瀋陽〜綏芬河を結ぶ2727/2728次普快列車に使用されています。
双層軟臥車 SRW25B 551974 瀋陽站


ウルムチ局所属の二階建て硬臥車は白色ベースの明るい車体色になっています。
双層硬臥車 SYW25B 671312 阿拉山口站


こちらは二階建て軟臥車です。
双層軟臥車 SRW25B 552623 阿拉山口站


DATA

製造初年  ?年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4750mm
自重    53.4t
定員    82
双層硬臥車 SYW25(B) 675109 昆明站
 昆明〜大理間の夜行快速で運用されている二階建て車両で、同区間専用のオリジナルカラーに塗られています。SYW25系を名乗りますが、おそらくはSYW25B系車両と思われます。
 1階部分、2階部分は従来車の8.5区画から8区画に減少。その分中層階が2区画→3区画に増加し、定員は82名となっています。


 
DATA

製造初年  ?年
車体長  25500mm
車体幅  3105mm
車体高  4750mm
自重    54.1t
定員    57
双層軟臥車 SRW25(B) 553959 昆明站
 上の硬臥車と同じく昆明〜大理間で運用されている二階建て軟臥車。
 1階部分は二人用ダブルベット+上段寝台の三人部屋となり、通常の25B系軟臥車に比べて定員が7名増加しています。