22・23系  

22・23系解説
 22系はそれまでの国産標準客車21系を大型化し、各種改良を加えた車両です。21系の後期車から受け継がれた補強リブつきの軽量車体が外観上の大きな特徴で、車体長は23.6mと従来の21系客車より約1.6m長くなり、車体幅も21系客車より100mmほど広くなっています。また、車両の設計最高速度も120km/hと21系に比べて20km/h引き上げられています。

 その使い勝手の良さから1956年に軟臥車RW22形2両が試作されてから1992年に生産停止されるまでの間の36年間、若干のモデルチェンジはあるものの大きく姿を変えることなく実に26000両以上が製造され、それまで初期の輸入車両や、旧満鉄車両など雑多な車両群で占められていた中国国鉄客車の標準化に大きく貢献。また車種のバリエーションも豊富で、硬座車(YZ)、軟座車(RZ)、硬臥車(YW)、軟臥車(RW)、餐車(CA)、行李車(XL)、郵政車(UZ)、発電車(KD)など、中国で通常目にすることができるほとんどの車種が製作されています。このため、一昔前の中国では田舎をのんびり走るローカル列車から大都市間を結ぶ特快列車まで、ほぼ全ての列車でこの客車が使用され、全国どこへ行ってもその姿をお目にかかることができたため、中国客車といえば、まずこの地味な緑色の客車の姿を思い浮かべる方も多いことでしょう。

 ただ、今となっては非空調の車体は時代遅れの感が否めず、最高速度120km/hでは高速化にも対応できないため、新型客車に追われるように優等運用からはほぼ撤退。急速にその勢力を減らしつつありるようです。

 しかし、それでも二線級のローカル運用をこなすには十二分の性能を持っているため、まだまだその姿は全国各地で見ることができます。近年では、車体の改修工事も行われ、新車同様に生まれ変わった車両もあり、その姿を国鉄線上から消すのはどうやらまだまだずっと先のことになりそうです。

 この22系客車のマイナーチェンジ車として23系客車もごく少数存在します。硬座車YZ23はYZ22の暖房装置を温水式からスチーム式に変更した車両、硬臥車YW23、餐車CA23は22系を国際列車用に設計変更した車両です。現在ではYZ23、YW23は姿を消し、CA23のみCA22に取って代わり、22系の食堂車として幅広く使用されています。 
DATA

製造年 1959〜1992年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4286mm
自重    43t
定員    118
硬座車 YZ22 333872 北京南站
 22系客車の中でも最大勢力を誇る硬座車です。製造初年は1959年と、22系は優等客車から製造されたためか、軟臥車、硬臥車に比べるとやや遅い登場となっています。
 座席には薄いとはいえクッションがつき、車体幅も広くなったため従来の21系客車に比べて快適性が増しました。定員も21系硬座車の108名に比べ、118名と10名増加しています。
 中国鉄路の標準型客車として長年製造され続けたため、製造年代によって、そのバリエーションは様々。過去には硬座臥両用車などといいう変り種も存在しました。
 写真の333872号は1980年代の製造車。昔からの22系のスタイルをよく留めている車両です。



簡素な作りの22系硬座車の車内。二人がけと三人がけのシートピッチ1500mmの固定式クロスシートで構成され、座席定員は118名です。
YZ22形 車内



この341725号はYZ22形でも最末期に製造された車両です。初期の車両に比べると、窓の部分のリブがなくなり、車体裾の形状が変更になっていることが分かります。
硬座車 YZ22 341725 北京東站



DATA

製造年 1987〜1992年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4283mm
自重    43t
定員    118
硬座車 YZ22B 348656 北京東站
22B形は車体材質を普通鋼から錆びにくい耐候性鋼に変更した車両です。これにより従来6年だった全般検査周期が7年半に伸び、保守作業の軽減に役立っています。

 写真の338656号は、YZ22B系の近代化改装車で、改装後、一部の窓が埋められたほか、窓の形状が25系と同様のものに変更されています。


近代化改装を受けた22系硬座車の車内。シートのモケットや化粧板を張り替えて明るい雰囲気になりました。
YZ22形 近代化改装車 車内


DATA

製造年  1975〜81年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    43.2t
定員    64名
軟座車 RZ22形 110174 石家庄站
22系の軟座車RZ22形。もともと長距離列車の多い中国では短距離列車専用の車種である軟座車自体が貴重な存在です。大量に製造された22系といえども例外ではなく軟座車の総数はごく少数にとどまっています。
車内はリクライニングこそしませんが、四人がけのボックスが片側に8組配置されていてそのシートピッチは軟臥と同等の2025mmと後年に製造されたRZ25B形よりもゆったりとしていて、木目調の車内とあいまって、まさに軟座の名にふさわしい車両といえるでしょう。

DATA

製造初年  1957年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4286mm
自重    45.8t
定員   80
軟座車 RZ22 664914 瀋陽維修段
こちらは同じ22系の軟座車でも車番や窓割りから推測するにオリジナルの軟座車ではなく、硬臥車の軟座改造車のようです。冷房改造、集中電源方式への改造を施され、25G系と組んで運用されていたものと思われます。


DATA

製造年  1983年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4285.5mm
自重    46.7t
定員    軟座32/硬座58
軟硬座合造車 RYZ22 1019 鶴崗砿務局
22系では、ごく少数ながら複数の用途を併せ持った車両も製造されており、このRYZ22形もその一つ。軟座、硬座合造客車で、1983年に唐山機車車両廠で30両だけ製造された稀少種です。
 この1019号はもともとら黒龍江省牡丹江地区で活躍していた車両を、同じ黒龍江省鶴崗の炭鉱鉄道が譲り受けたもので、軟座部分と硬座部分でシートピッチが異なるため変則的な窓割りになっているのが外観上の大きな特色となっています。
 22系の合造客車としては、他に軟臥、硬臥合造客車RYW22形があります。こちらは1981年に99両製造されたようです。 


DATA

製造初年  1957年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4286mm
自重    46.7t
定員    54/60
硬臥車 YW22 61920 豊台機務段
22系硬臥車YW22形の製造初年は1957年。試作車として先行製造された2両は二段式寝台で登場しましたが、量産車では三段式寝台となりました。初期の車両は、通路側にも線路と平行して横向きに寝台ベットを配置した詰め込み設計で、その定員はなんと77名。1966年製造車から、横向きベットが廃止され、定員60名に減少し、現存の客車とほぼ同じ構成に。その後は、大きく設計変更されることなく88年に改良型の22B形が登場するまで約4000両近くが製造されました。
 写真の61920号は1970年四方機車製。数少ない22系の原型を留める車両ですが、現在では豊台機務段の一番奥に押し込められて6桁化改番もされず廃車同然の姿になっています。



三段ベットの並ぶ22系硬臥車、原型車の車内です。最近はは22系客車のリニューアル工事が進み、このような原型を留めた車両は少なくなってきています。
硬臥車 YW22形 車内
DATA

製造初年 1988年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4286mm
自重    45.t
定員    54/60
硬臥車 YW22B 666177 燕山站
 YW22B形はYW22形の車体材質を普通鋼製から腐食しにくい耐候性鋼に変更した車両で、窓の部分の補強用リブが無くなったことが外観上の大きな特徴となっています。
 現在では、新型空調車両の増備もあり、特快快などの花形運用からは外れていますが、二線級のローカル急行用として未だに全国でその姿を見ることができます。
 写真のYW666177は車体裾部が長いタイプですが、このタイプの裾形状は22系基本タイプにも存在します。



これはYW22B形の近代化改装車。硬座車と同じく窓形状が25系と同じものに変更されています。
硬臥車 YW22B 665807 北京南站


冷房がないこと以外は25G/25Kの後期車なみにリニューアルされた22系の改修車。各寝台に簡単な仕切りがついたセミコンパートメントタイプになりました。
硬臥車 YW22形改修車  車内



これは非常に珍しいYW22C形です。22形/22B形との差異については資料がないため今のところ分かりません。
硬臥車 YW22C 664940 燕山站



DATA

製造初年1956年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4283mm
自重    58.0t
定員    32
軟臥車 RW22 551559 ハルピン站
軟臥車RW22形は、22系客車として初めて製造された形式で製造初年は1956年。以降モデルチェンジを重ねて1990年代まで製造され続けました。
現在では初期の非冷房車両はほぼ淘汰され、90年代に製造された22系としては最末期世代にあたる冷房つきの車両がわずかに残りローカル運用で細々と走っているのみです。



RW22形の車端部の屋根にはこのように冷房がついています。冷房用電源は、床下に設置されたディーゼルエンジンで発電機を回して確保する仕組みです。
軟臥車 RW22 551584 燕山站



RW22形のコンパートメント内部。
車内には4人部屋のコンパートメントが8室配置。定員は32名です。
軟臥車 RW22 車内



RW22形の通路部分です。
車内は改修を受け、化粧版が張りかえられているため新車同様になっています。
軟臥車 RW22 車内



DATA

製造初年1975年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4298mm
自重    45.0t
行李車 XL22 204182 北京東站
22系の行李車。1965年に試作車が製造されたXL22形ですが、本格的に量産が開始されたのは1975年以後です。車体の一端に事務室、トイレを配置、それ以外の部分全てが荷物室となっています。
写真の204182は1984年製です。


22系荷物車の車内、荷物室部分です。
荷物を運びやすいように床がすのこ状になっています。
行李車 XL22 車内



DATA

製造初年1988年
車体長  23600mm
車体幅  3105mm
車体高  4285mm
自重    42.5t
積載重量 17.7t
行李車 XL22B 204983 北京西客運段
XL22の車体材質を耐候性鋼に変更した車両。車体裾部も他の22系後期車同様に角ばった形状に変更されています。写真のXL22Bは「中鉄行包快逓」(日本で言う荷レ)専用車両です。


DATA

製造初年1975年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4298mm
自重    44.2t
郵政車 UZ22 7874 北京南站
22系客車の郵政車。現存のUZ22は、1973年に試作されたPUZ22形を前身とし、1975年以降に量産された車両です。
車体中央に幅1600mmの両開き扉を二つ持ち、その間が事務室、両端が郵便室となっています。


DATA

製造初年 1988年
車体長  22000mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    64.0t
空調電源車 KD22 997722 青島站
1988年に登場した特殊車(電源車)TZ2形をベースに量産化された空調電源車です。22系の車体を持つ初期の空調発電車ですが、その車体色からも分かるように現在では25G系列の電源車として使用されています。




DATA

製造初年 ?年
車体長  23600mm
車体幅  ?
車体高  ?
自重    ?
餐車 CA22 90548 環形鉄道実験線 写真提供 raicho様
 22系客車の食堂車CA22型。但し、CA22型は22系客車の製造初期にわずかな両数が登場したのみで、現存する22系の食堂車は、ほとんどが国際列車用として登場したCA23型となっています。
 そんな中、専運車として、ごくわずかな両数がCA22型として継続製造されたらしく、現存するCA22型は、全て重厚な三軸ボギー台車を履いています。


DATA

製造初年 1963年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    49.0t
定員    48
餐車 CA23 891775 北京機務段
22系の登場初期にはCA22形が製造されたようですが、その後、国際列車用として登場したCA23系が国内向けにも製造されるようになり、22系は食堂車のみ23系を名乗るようになりました。この891775号は1988年製。非冷房車で窓形状もオリジナルの開閉式の窓を装備しており、登場時の原形を比較的保っている車両です。


DATA

製造初年  1991年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    52.2t
定員    48
餐車 CA23 892110 臨汾站
CA23系は1991年製造車より新製時より冷房つきに変更されました。中には、写真の車両のように25Gと同様の車体色に塗られ、三相交流の引き通し線を設けて、25G編成に組み込まれている車両も存在します。


DATA

製造初年  1991年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車体高  4285mm
自重    52.2t
定員    48
餐車 CA23 892163 北京南站
冷房つきのCA23系に近代化改装を施した車両です。窓が25系と同様のものに変更されています。


CA23系非冷房車の車内です。いかにも街中の大衆食堂といった風情の安っぽい内装です。
餐車 CA23形 車内



こちらは車体改修された食堂車の内部です。
餐車 CA23形改修車 車内