18系
  

18系解説

伝統的なダークグリーンの車体色に身を包み、車体中央に中国の国章をかかげてシベリアの大地を長躯駆け抜ける国際列車。18系客車は中国からロシア・モンゴル・カザフスタンなどへ向かう国際列車に充当される客車です。外国車輌と連結使用されるため、通常の自動連結器の他、バッファーを装備しているのが特徴。超長距離を走る国際列車専用系列のため座席車は作られず、車種は軟臥と硬臥のみ。硬臥も硬臥包と呼ばれる四人部屋の個室になっており、ベッド幅が軟臥に較べてやや狭いものの軟臥とほぼ同等の居住性を確保しています。

 18系客車は、国際列車もしくはそれに準ずる仕様の客車をひとまとめにした系列で、その出自や外観は様々であり、両数の割にバラエティに富んだ面白い系列になっています。
 大きく分けて
@世代車 1955〜59年にかけて東ドイツから輸入された客車群のうち、ソ連への国際列車に使用された客車が後に18系に編入。
A世代車 1966〜85年にかけて製造された22系客車に準じたスタイルで国際列車仕様の国産車。
B世代車 1990〜92年に製造された25系客車に準じたスタイルで国際列車仕様の国産車。18A系に分類。
C世代車 1995年に輸入された旧東ドイツのDWA (Deutsche Waggonbau AG)社(現在ボンバルディア社に吸収合併)で製造された共産圏標準型客車。
D世代車 2003年に製造された25K系客車に準じたスタイルの集中電源式・国際列車仕様の国産車。

  の5世代となり、このうち@、A世代車はすでに引退。現在も活躍しているのはB〜D世代の車両となります。


B世代車はフフホト局・C世代車は北京局・D世代車はウルムチ局に配置され、それぞれ国際列車運用に活躍中ですが、B・C世代の車両については、未だ非空調・最高速度120km/h対応で、空調かつ高速車両が増えた国内列車との格差が目立っており、一部国際列車対応の25T型への置き換えが始まっています。

運用
18系車両は北京局・フフホト局・ウルムチ局の三箇所に配置され、国際列車及び国際列車に併結される国内折り返し車両に使用されている。現在の定期運用は以下のとおり。
北京局

K3/4次 北京〜モスクワとK23/24次 北京〜ウランバートル間で使用中。
K19/20次 満州里経由モスクワ行きに餐車CA18形と硬臥車YW18形が一両ずつ連結される(満州里止め)。
この他、多客時に国内臨時列車として運行されることもあります。
他にK27/28次 ピョンヤン行きにも、北京発木曜日、ピョンヤン発土曜日の列車に軟臥車RW18形と硬臥車YW18形が一両ずつ連結されていましたが、現在25T系列の国際仕様車への置き換えが行われてしまいました。
フフホト局
465253/5451次 フフホト〜ウランバートル列車のフフホト発金曜日、ウランバートル発月曜日の列車に軟臥車RW18A形と硬臥車YW18A形が使用されています。
ウルムチ局
N895/896
次 ウルムチ〜アルマトイ列車のウルムチ発土曜日、アルマトイ発月曜日に硬臥車YW18(ウルムチ局)形が使用されています。


中華人民共和国の国鉄に所属することを示す国章。
国際列車専用車両18系のシンボルです。


@世代車
DATA

製造年  195?年
車体長  ?
車体幅  ?
車高   ?
自重    58.8t
定員    ?
餐車 CA18 90418 環状鉄道実験線
 1955〜59年にかけて東ドイツから107両程度輸入された18系客車最初のグループです。この輸入客車群はソ連との国際連絡輸送に使用されたほか、高級幹部輸送用の公務車編成にも使用され、国際連絡仕様のものが後年18系に編入されています。
 写真の90418号は、鉄道博物館横の環状鉄道実験線に他の公務車編成とともに編成毎放置されていたもので、現在は博物館内に収納されていますが、残念ながら室内の様子を見ることはできません。台車はオリジナルのものから1975年四方工場製のものに履きかえられてしまっていますが、その他はオリジナルの面影をよく残しています。


京局工程車 035 竇嫗站
 @世代車の硬臥車として製造されたと思われる車両で台車はオリジナルのものを履いています。現在は、事業用車(宿営車)として使用されています。




A世代車
DATA

製造年  ? 年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車高   4295mm
自重    52t
定員    48
餐車 CA18 90415 鉄道博物館
 1966年〜85年にかけて製造された18系のA世代にあたる車両は国産車となり、車体構造は22系客車に準じたものになりました。国産の18系客車は主にモンゴル・北朝鮮・ベトナムとの国際列車に使用されましたが、90年代に第四世代車に置き換えられています。
 写真は鉄道博物館の館内に保存されているA世代の食堂車です。


鉄道博物館に保存されている18系食堂車の車内です。
餐車 CA18 90415 鉄道博物館


B世代車
DATA

製造年  1990年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車高   4286mm
自重    53.7t
定員    36
硬臥車 YW18A 660275 北京機務段
 B世代車は、1990年に日本の円借款を利用して、南車四方工場で団体旅行専用客車という名目で50両(硬臥車YW18A25両、軟臥車RW18型8両、高級軟臥車RW19A型12両、行李車XL18A型5両)製作された系列で18A系に分類されています。側面にリブのないすっきりした車体は25系客車に準じていますが、窓位置や窓寸法、屋根高さ、車長などは他の18系客車にあわせてあるのが特徴です。
 18A系客車は、現在硬臥車、軟臥車、行李車がフフホト局に所属してフフトホ〜ウランバートル間を結ぶ4651〜4654次の中国持ちの編成(フフホト発金曜、ウランバートル発月曜)に使用されている他、国際列車に併結する国内折り返し用車両としても使用されているほか、北京発のモンゴル行き国際列車にもまれに組み込まれて使用されている例もあります。高級軟臥使用のRW19Aもフフホト局に配置されていますが現在定期運用はなく、国内の団体列車などで使用されているようです。

 写真は、硬臥車YW18A型。車内構造も硬臥ながら4人部屋コンパートメントになっている点など他の18系客車と同様の特徴を持っています。


DATA

製造年  1990年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車高   4286mm
自重    55.1t
定員    32
軟臥車 RW18A 550676 ウランバートル駅(画像提供 ウランゴー様)
18A系の軟臥車RW18A。車内はRW18同様、4人部屋のコンパートメントが8室あります。
YW18Aと同様、フフホト局に所属しフフトホ〜ウランバートル間を結ぶ国際列車に使用されています。


DATA

製造年  1990年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車高   4286mm
載重   12t
容積   73m3
自重    52.6t
行李車 XL18A 204758 北京機務段
中央に設けられた大きな荷物扉が特徴の18A系行李車、XL18A。この車両はもっぱら国内折り返し用で、通常ロシア、モンゴルには入りません。


C世代車
DATA

製造年  1995年
車体長  23950mm
車体幅  3063mm
車高   4286mm
自重    48.5t
定員    36
硬臥車 YW18 668416 北京機務段
C世代車は現在の18系客車の中核をなす車両で、その大半は1995年に輸入されたドイツ・DWA社製の旧共産圏用標準客車で構成されています。現在は全車北京局に所属して、モンゴル・ロシア行きの国際列車を中心に使用されていますが、未だに石炭ストーブの非空調車で最高速度も120km/h対応と遅く、国内の特急列車のみならず、新型車に置き換えられた乗り入れ先のロシア持ち、モンゴル持ちの客車との格差も広がっているため、近い将来の置き換えが予想されます。

 写真の硬臥車YW18型は、旧共産圏標準型車両のうち定員36名のMECT36(厳密には形式名ではない)と同型車。硬臥とはいうものの、二段ベッド式・4人部屋のコンパートメントが9室並ぶ車内構成で、このタイプの車両は俗に「硬臥包」と呼ばれています。そのため定員は36名と、軟臥なみの少なさです。


床下に並ぶいかついバッテリーボックスも18系客車の特徴の一つです。


18系の台車は同じ東ドイツからの輸入客車である24系と同様の211形式を採用しています。


硬臥車 YW18 668426 北京機務段
基本的には非空調車の18系客車ですが、国内の臨時列車用に空調改造された車両もあります。
このタイプの18系客車は、集中電源システムを採用しており、冷房を使用するためには25G系の電源車を連結する必要があります。
毎年夏季に運行される北京発煙台行きの臨時列車は、この18系空調客車や24系客車などの予備車をかき集めて臨時列車らしからぬ豪華編成で運行されており、ごくごくごく一部のマニア人気を集めています。

DATA

製造年  1995年
車体長  23950mm
車体幅  3063mm
車高   4286mm
自重    48.3t
定員    32
軟臥車 RW18 551990 北京機務段
18系軟臥車RW18型。やはりドイツ・DWA社製の輸入車です。
硬臥車YW18と同様の二段ベット、4人部屋のコンパートメントですが、こちらのほうがベット幅がやや広なっており、そのため部屋数は硬臥の9室にくらべて一室少ない8室となっています。このタイプの客車は他の共産圏標準型客車には見られない中国独特のものです。


DATA

製造年  1992年
車体長  25500mm
車体幅  3106mm
車高   4286mm
自重    56.8t
定員    40
餐車 CA18 892004 北京機務段
18系餐車CA18。ドイツ製の寝台車とは異なり、こちらは中国の南京浦鎮車両廠製。25系客車に準じたリブなしのすっきりした車体を持ち、車体長も25系と同じく全長25m級の大型車体になりました。主に非空調車輌で編成される国際列車の中で唯一空調設備を有している車輌で、床下に発電機と発電用ディーゼルエンジンを装備しています。
なお国際列車の食堂車は各国の国境でつけかわるためCA18は国内しか走りません。



バッファ付きのロシア車両と連結するために貫通路の下部が独特の形状をしているのが18系客車の特徴です。
餐車 CA18 892004 北京機務段



連結面を覗くとごらんのとおり。バッファーを装備していることがわかります。



DATA

製造年  199?年
車体長  23600mm
全幅   3106mm
車高   4286mm
自重    48.4t
載重   12t
容積   86m3
定員   8
行李車 XL18 205905 北京機務段
リブのないすっきりした車体の18系行李車で、こちらも餐車同様、輸入車ではなく国産車です。18A系の行李車YW18Aがベースと思われますが、床下に並ぶ特徴的な形態の蓄電池など床下機器は国際列車仕様となっています。


D世代車
DATA

製造年  2003年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車高   4295mm
自重    50.6t
定員    36
硬臥車 YW18 673054 ドストック
ウルムチからカザフスタンのアルマトイまで結ぶ国際列車には2003年に製造されたD世代の18系客車が使用されています。
南車四方工場製の客車で、集中電源方式を採用、ドアもプラグドアタイプのものになるなど、同時期の25G・25K客車同様の使用となり、車体色も特快色を採用していますが、寸法などはロシアとの国際規格に則った設計になっています。


硬臥車コンパートメント内。他の18系客車同様、硬臥ながら二段式寝台をとなっています。


硬臥客車通路。コンパートメントのドアが並びます。


国際列車用客車らしく車内の案内表記にはロシア語も併記されています。


DATA

製造年  1990年
車体長  23600mm
車体幅  3106mm
車高   4286mm
載重   12t
容積   98m3
自重    52.6t
定員    4
行李車 XL18 206046 ドストック
カザフスタン行きの国際列車編成に1両連結される荷物車。他の18系同様、側面の大きな開口部が特徴です。


DATA

製造年  2003年
車体長  22000mm
車体幅  3106mm
車高   4295mm
自重    61.9t
定員    4
空調発電車 KD18 998744 ドストック
18系客車では集中電源式を採用していのはカザフスタン行き国際列車のみのため、18系の空調発電車は非常に希少な存在となっています。