シトロエン DS  1955年デビュー。 その当時に実際に池に浮べたデモンストレーション。
                          油圧サスペンションの魔法のような乗り心地を訴求。


シトロエンDSの魅力はなんといってもその未来的なスタイリング。このデザインは2CVなども手がけたシトロエン社内デザイナーのフラミニオ・ベルトー二で、彼の最高傑作ともいわれる。「宇宙船」とまで評された徹底した流線型化は当時の空力デザインではもっとも先進の一つだった。ボディ断面は幅広にとった下部に対して上部を絞り込み空気抵抗を軽減し、車の顔ともいうべきラジエター・グリルを廃して、まさしく宇宙船のエッジのラウンドフォルムのようなボンネットになっている。権威的な意味合いのあったグリルの無い外観は1950年代の人々には驚愕だったらしい。
 



 



DSのリアスタイルはフロントよりさらに魅力的で、ルーフラインからトランクへと徐々に低くなりテールは細く収束しテールランプがコンパクトに収められていた。サッシュレスドアを採用していたが、これも当時としては大胆な手法。幅広のCピラーはステンレス板でデザインの大きなアクセントになっている。そして最もリアスタイルを特徴付けているのがCピラー上部に装備された丸いリア・ウインカーランプ。現在のハイマウント・ストップランプに相当するようなもので後続車からの視認性を考えた先進のデザインで、その造形にこの車が量産自動車でありながら工芸品さながらの趣を与えている。