オウムガイ
(Nautilus)



オウムガイの外観と美しい幾何学模様を見せる3分割標本 (Nautilus cut model)  28x13x8cm

軟体動物門 頭足綱 オウム貝亜綱 (四鰓亜綱)  オウムガイ目  オウムガイ科 オウムガイ属  オウムガイ種
Mollusca  Cephalopoda  Nautiloidea (Tetrabrachia) Nautilida Nautilida Nautilis N. ponpilius

    オウムガイは貝殻状の殻を持っていますが、貝ではなく、むしろイカやタコと同じ頭足綱の軟体動物です。
 オウムガイが現れたのは 4.5〜5億年昔の古生代オルドビス紀に遡り、今日まで殆ど進化することなく生き永らえている、いわば生きている化石とも言える生物です。
 姿がよく似た近種の生物で、かつて世界中の浅い海に大繁殖していたアンモナイト属は白亜紀にメキシコ湾に落下した巨大隕石の影響で恐竜等と共に絶滅したと考えられます。 今日では化石でしか見られません。

 オウムガイは現在南太平洋〜オーストラリア近海の水深 100〜600mの海中に数種類が生息しています。
 眼はピンホール・カメラタイプの原始的な構造で感度が低く、よく見えないと考えられます。
イカやタコと同じくジェット噴流で前進しますが、大きな殻が邪魔になり、早くは動けません。 
 90本ほどの触手で動きの鈍い小動物を捕食して生きています。 
 ゆっくりとした殻の成長に合わせて十数年から20年ほどの寿命があると考えられています。
死んだ後は、黒潮に乗った殻が遠く北海道近辺の海にまで流れてきて発見されます。

 冒頭の切断模型で分かるように、巻いた殻の内部は、貝と異なり、液体と気体とで満たされた隔壁で分断されています。 この隔壁内部の液体は塩分濃度の変化による浸透圧の違いにより移動し、それにより浮力の調節が行われます。
 この仕組みは、後に潜水艦や深海潜水艇に応用されました。
ジュール・ヴェルヌの冒険小説 ”海底二万里” の潜水艦 ”ノーチラス” やフランスの深海潜水艇、さらにアメリカの原子力潜水艦の名はいずれもオウムガイの浮力調節システムに因む命名です。
 
パラオの海中で泳ぐオウムガイ  海老を捕獲した様子


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