イトバハルシャギク(糸葉春車菊/波斯菊)
(コレオプシス : coreopsis)


背丈が40cm、花径が5cmの花が6月末から8月にかけて次々と咲く。 花の後の赤みを帯びた集合種が南京虫を思わせることから、学名コレオプシスと名づけられた


被子植物門 双子葉植物綱 キク類 キク目 キク科 ハルシャギク属 イトバハルシャギク種
Angiopermus Eudicots Astrids Asterales Asteracaceae Coreopsis Coreopsis verticillata


  属名の Coreopsis とは痩果(そうか ; 薄くて硬い果実の中にひとつの種子が包まれている果実、 いちご、ひまわり、たんぽぽの果実) が ”Coris (南京虫) + opsis (似た)”、即ち、南京虫に似ていることから命名されたもの。 
 今どき 南京虫を見る機会はありませんが、黄色の花のそばに写っている赤茶けた種子の塊が南京虫を思わせるのだそうです。
 種名の ” verticillata は 輪生の : 植物の葉の、茎を中心に、輪を描くような葉のつき方をするものを指す。
 和名の ”ハルシャギク : 春車菊 ” は当て字で、正しくは 波斯 (ペルシャ)菊 なんだそうですが、波斯も当て字なのです。
 多年草なので、園芸店では宿根コスモスの名で売られていることがあります。 同じキク科の一年草のコスモスはコスモス属で別の種類です。
 コスモス(Cosmos bipinnatus)も正式な名前はオオハルシャギク(大春車菊、大波斯菊)と、メキシコ原産なのに、何故か波斯菊と命名されています。
 しかし花も細い葉も良く似ています。
 名前からするとペルシア原産なのかと思いきや、実は北アメリカ東部が原産地なのに、何故ペルシャの名前がつけられたのか ? 
 どうやら明治時代に、渡来した珍しい草花にペルシャ(波斯)と命名することが流行ったようです。 シルクロードの名残かもしれません。 
 名前はともかく、数年前から、森の片隅に7月から8月まで長期間鮮やかな花を次々に咲かせます。
 植えた覚えはなく、長い間,何だろうと不明でしたが、どう見ても野草には見えず、何時もの様に分厚い園芸植物図鑑を虱潰しに紐解いて、ようやくこの花が、南京虫に由来する学名を持ち、園芸植物として一般にはコレオプシスと呼ばれるキク科の花の原産種と判明した次第です。
 かつて大繁殖して、根絶に手を焼いたフランス菊(マーガレット)と同じキク科ですが、こちらは減りも増えもせず、毎年、ひと塊の鮮やかな黄色い花を咲かせてくれます。 
 近年は淡いピンクやクリーム色、模様入り、八重、中心部が赤い変種(ハルシャギク、別名 蛇の目草 : Coreopsis tinctoria) など、多彩な園芸種が登場しています。するとますますコスモスに似て来ますが、多年草ですから、一度植えれば毎年楽しめます。
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