ヴェイリネナイト (Väyrynenite)


 
ヴェイリネン石 (Väyrynenite) 
  0.10ct 4.1x2.1mm   0.13ct 3.6x2.6mm
 Pakistan Afghanistan 


     
2.02ct   0.10ct 4.1x2.1mm 0.13ct 3.6x2.6mm
Pakistan  Afghanistan 


             
原産地標本(Original Locality) 幅 2cm ルース 1.89ct  結晶 2.8cm 2x1.3x0.9cm   結晶 2cm    3x0.8x0.2mm 1cm 
 Viietaniemi Pegmatite, Finland Shengus, Pakistan       Paprok Mawi, Nuristan
      Afghanistan 


化学組成 
(Formula)
結晶系
(Crystal System) 
 モース硬度 
(Hardness)
比重 
 (Density) 
屈折率
 (Refractive Index) 
  Mn2+Be(PO4)OH   単斜晶系 (Monoclinic)  3.22  1.638-667

 ヴェイリネン石は1939年に Oreg von Knorring (1915-1994) により、新鉱物の可能性があると報告され、フィンランドの Viietaniemi ペグマタイトにてこの鉱物の鉱床を発見した、ヘルシンキ高等高校の鉱物学教授であった Heikki Allen Väyrynen ( 1888 - 1956 ) に因んで命名されました。
 因みに、ロシア生まれの Oreg von Knorring はイギリス・リーズ大学の鉱物学教授となり, 1968年に南アフリカ、レソトのダイアモンド鉱山の超塩基性岩であるキンバーライトから発見されたガーネットの新種が、彼に因んで Knorringite [Mg3Cr2(SiO4)3 ]と命名されました。

  ヴェイリネン石は、その後、中国、ロシア、カザフスタン、ポルトガル、スペイン、USAのメイン州とウィスコンシン州等のペグマタイト地帯から報告されています。
 宝石質のヴェイリネン石が最初に報告されたのは1994年、パキスタンの北西部の Shengus ペグマタイトから、さらに2000年代に入って、アフガニスタンの Paprok や Mawi のペグマタイトからも宝石質の結晶が発見され、カットされたルースが姿を見せ始めました。
 しかし、稀に姿を見せるルースの大半は0.1カラット程度のごく小さなものが殆どです。
写真にあるような2カラット前後のルースは、まさに博物館級の極めて稀な逸品です。

 色合いと産地から、よく似た燐酸塩鉱物のトリプル石 【 (Mn,Fe)
2(PO4) F 】に近い組成の鉱物かと思いましたが、トリプル石の成分にはベリリウムが含まれていません。
 同じく燐酸塩系の鉱物を探したところ、ベリリウムを含むヘルデライト [CaBe(PO4)(OH・F)] に辿り着きました。
ヘルデライトのカルシウムをマンガンに置き換えた鉱物がヴェイリネン石になるのですね。 
 ヘルデライトはパキスタンやアフガニスタンでも宝石質の結晶を産しますから、よく似た組成のヴェイリネン石を産するのも頷けます。   



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