灰曹長石
(Oligoclase)


 
灰曹長石 (Oligoclase) 0.61 - 4.17ct
Brazil and Tanzania
1.08ct 8.4x5.3mm    1.36ct 9.51x5.65mm
Madagascar

 灰曹長石は、曹長石 (NaAlSi3O8) が70-90%、灰長石 (CaAl2Si2O8) が10-30% の成分比を持つ斜長石属の鉱物です。
 長石族の鉱物が宝石として使われるのは、主に月長石(ムーンスト ーン)や、日長石(サンストーン)に限られ、その他の、稀に発見される透明な結晶はコレクター向けにカットされるのみです。
 とりわけ、灰曹長石の宝石質の透明なルースは極めて稀にしか発見されません。
30年ほどの間に、過去にブラジル産とタンザニア産のルースを各1個づつ入手したのみでした。
 今回タンザニアのモロゴロ産の比較的大きなルースをまとめ入手しました。
 さらに2016年12月に姿を見せたマダガスカル産のアクアマリンのような青く透明な灰曹長石を入手しました。
 青く透明な長石類の出現は、これまで報告されたことがなく、いずれ、正式な産地、成分分析等の詳細が報告されるものと期待されます。


ブラジルの灰曹長石 (Brazilian Oligoclase

   
 
   無数のペグマタイト鉱脈があるブラジルなら宝石質の灰曹長石がいくらでもありそうですが、過去30年余りの間に出会ったのは、このルース1個のみです。
 長石族の鉱物で、ルースとしてカット出来るような透明な結晶は滅多にありませんから、最初に出会った時には大層嬉しかったものです。
 コレクションには同じ産地のものが何個か欲しいのですが、その後はいくら待っても姿を現しません。
 Min Dataで調べると、ブラジルには10ケ所ほどの産地があります。
 写真の結晶は宝石質ではありませんが、結晶形が分かる灰曹長石の結晶です。 
 4.17ct 11.2x8.7mm  結晶 4cm
Gávea Quarry
Rio de Janeirro, Brazil

 
 

ケニアとタンザニアの灰曹長石 (Kenya & Tanzanian Oligolase)

   
 淡緑色の灰曹長石 1.84 - 15.72ct 結晶 2.41 - 6.31g ルース 1.94 - 2.38ct 
Kioo Hill, Kenya  Tanzania 


         
0.61t 7.0x5.1mm  1.33ct 7.20x7.15mm  2.13ct 10.0x7.9mm   2.56ct 11.1x8.0mm 2.53ct Ø 9.3mm 
    Morogoro, Tanzania     

 近年、タンザニアとケニア産の灰曹長石ルースを時々見かけるようになりました。
ケニアはナイロビの100㎞程南、タンザニア国境に近い Sultan Hamud Area の Kioo Hillにて2007年ごろに透明なかすかに緑色を帯びた宝石質の結晶が発見されました。
 タンザニアのモロゴロ周辺で2000年初頭に発見された宝石質の灰曹長石は微かに淡青色を帯びています。
 実はMin Data の産地資料にはタンザニアのモロゴロに宝石質の灰曹長石を産するとの情報は載っていません。
 他の国の宝石産地の表示でもそうですが、産地情報は、実際の鉱山ではなく、その集散地が挙げられることが良くあります。
 モロゴロもタンザニアのモザンビーク造山運動によって形成されたペグマタイト鉱床地帯の只中にある大きな町です。 その周囲 100㎞ 内に Mpwapwa, Kilosa, Mvuha, Magogoni 鉱山があり、紫水晶、ガーネット、ユークレース、トルマリン、トパーズ、スカポライト、ルビー、スピネル、アクアマリン等々、多彩な宝石を産します。 
 その中に宝石質の灰曹長石も含まれていて、モロゴロを経由して流通していると考えられます。

マダガスカルの透明な淡青色の(灰曹長石)オリゴレース
       2016年末にネット市場にマダガスカル産のオルトクレースとして姿を見せた
アクアマリンのような青く透明なルース。
青い色の長石はアマゾナイトがありますが、透明なものは知られていません。
 近年、ヴェトナムとビルマからごく稀にですが、透明な緑色の正長石が報告
されています。
が、青く透明な長石類は前述のタンザニア産に微かに青みを帯びたものがありま
すが、写真でも肉眼でも,殆ど無色に近い、それほど淡い色合いです。
 したがって、マダガスカル産の、淡青色ながら、アクアマリンのような確かに
青い長石が一体何なのか、入手して調べてみました。
 比重が2.681、屈折率が1.530と、これらの値からはオリゴクレースと判断されます。
 調べてみると、GIAの資料にカナダのオンタリオ州、バンクロフトの Madawan鉱山産
の7.81ct(15.2x10.7㎜)と大きく、パライバ・トルマリンのような鮮やかな青い標本
の写真がありました。
    
 1.08ct 8.4x5.3mm 1.36ct 9.51x5.65mm   
S.G. : 2.681  R.I. : 1.530  



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