新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)


October 2013 : トルマリン (Tourmalines)


ブラジルのトルマリン (Brazilian Tourmalines)
6.91ct 19.8x8.9mm 2.52ct 8.6x7.2mm 0.59ct 4.6x4.5mm
Minas Gerais, Brazil
 世界各地の新しい産地から続々と魅力的なトルマリンが採れているとは言え、依然としてブラジルが質、量共に最大のトルマリン産地であることに変わりはありません。
 6.91カラットのピンクに橙を帯びたマーキーズ・カットの石は、手持ちのブラジル産トルマリンの中では、色合い、大きさ、包有物皆無の透明度の高さ、煌きの美しさ、カットの完成度の高さ、といずれの観点からも比類のない水準です。 
 カットされる前の結晶がどんなものであったか思わず想像してしまいます。結晶端を持つ美しい結晶であったのならカットすべきではなかったと思いますが、こうしてカットされてしまったからには単なるルースのコレクションにしておくのはもったいないほどです。
 宝石デザイナーが仕上げればさぞ見事な宝飾品になること間違いなしの稀なる逸品です。
 2.52カラットの緑の石は前述のピンクの石とは対照的に、カットの水準が低く、包有物もあるため、カラット当たりの値段が200円程度とガラス並みです。が、ブラジルの緑の石にありがちな褐色味が殆どなく、エメラルドかと思うような色合いが魅力的です。
 スクエア・カットのインディゴライトはサファイアかアウインのような鮮烈な青い色にはただただ感嘆。小さく、包有物が多いために格安ですが、透明度が高く、大きな深い色合いのインディゴライトなど滅多にありませんから、こんなものでも貴重な標本です。


アメリカ・メイン州のトルマリン (U.S.A. Maine Tourmaline)

 1820年に発見されたアメリカ東海岸、メイン州には世界屈指の宝石質ペグマタイトが多数あります。鉱床の大半が一次鉱床で固い岩盤を掘らなければならず、生産性が悪く、商業的な採算が取れない為、アマチュアが暇に空かせて掘っているのが幸いして未だに細々とではありますが新たな鉱脈の発見があり、結晶標本やカットされたルースが市場に姿を見せます。
 採掘のコストが高いため、結晶もルースも他の産地と比べて非常に割高ではありますが、メイン州のトルマリンの特徴はパステルカラーの美しい色合いにあります。
 写真のルースも如何にもメイン産らしいトルマリンです。小さく、包有物があるのですが、何しろ市場でも滅多にお目にかからないメイン産の出物とあれば無条件で入手するのみです。
 30年余りかけて、ようやく2個目です。 
1.02ct 6.95x5.0mm

ナイジェリアのトルマリン (Nigerian Troumaline)
 この10年ほど、パライバ・トルマリンも含め、ナイジェリア各地から続々と魅惑的な色合いのトルマリンが登場してきました。
 以前は産地の情報が皆無に近く、中央部のジョス高原が主要産地としか知りませんでした。が、産出量が増えるにつれ、次第に詳細な情報が明らかになり、今では何処でどんなトルマリンが採れるのか、かなり分かるようになりました。
 詳細は ”ナイジェリアのトルマリンを参照ください”

 写真のルースはピーチのパステル・カラーの色合いから、おそらく中央部ジョス高原のKeffi産かと思われます。 淡い色合いですが素晴らしく透明度が高く、きらきらと煌く様はまことに美しいものです。
2,21ct 12.1x6.9mm

マダガスカルのトルマリン (Malagasy Tourmaline)

 マダガスカルもまた最初の1900年の発見以来、無数の宝石質ペグマタイトが次々と発見され、世界屈指の多彩な宝石産地の一つです。
 当然トルマリンも採れ、多彩な色合いの宝石質の結晶の写真は見かけるのですが、何故か姿を見せるルースは赤いルベライトばかりで、その他の色合いはついぞ見たこともありませんでした。
 写真の地味な色合いのトルマリンは、実はマダガスカル産としてはルベライト以外では初めて手にするものです。
 宝石としてとりわけ見映えがする色ではありませんが、大きく、包有物の無い、完全な透明度を持つトルマリンです。
5.49ct 16.5x7.0mm


モザンビークのパライバ・トルマリン (Mozambique Paraiba Tourmalines)

0.29ct 8.2x4.2mm 0.32ct 7.3x3.8mm 0.29ct 6.1x3.3mm 0.31ct 7.0x3.5mm
 
 モザンビークでパライバ・トルマリンが発見されたのは2003年でしたが、正式な情報が公表されたのは2005年末でした。
その間原石はブラジルで研磨され、ほぼ枯渇していた原産地のパライバ産として世界市場、とりわけパライバ・トルマリンに異常な人気が集中していた日本市場に大半が法外な高値で吸収されていたと考えられます。
 産地が明らかになった後もパライバ・トルマリンの異常な高値は続き、低品質のアクアマリンにも及ばない、内包物が多く、透明度に欠ける薄い色合いのルースでさえカラット当たり数万円〜数十万円もの法外な値段が罷り通っていました。
 パライバ・トルマリン市場の大半を占めるモザンビーク産が安定して供給されるようになったこの1,2年、ようやくカラット当たり数千円と、品質相応の市場価格になって来ました。
 写真の4点は、小さいせいもありますが、モザンビーク産としては珍しく透明度の高いパライバ・トルマリンのルースです。
アクアマリンといっても通るほどの色合いですが、何しろ東京ミネラル・フェアでショー・スペシャル、1個1000円均一で山積みされていた値段の品ですから文句を言えた筋合いではありません。しかし美しい色ではあります。

モザンビークのトルマリンの詳細情報は ”アフリカ大地溝帯のトルマリン” のモザンビークをご覧ください


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