新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)


August 2010 : 螢石(Fluorites)



南アフリカ共和国の螢石(Fluorites of Rep. of South Africa)


6.80ct 11.3x9.8mm 5.95ct 17.5x7.7mm
   南アフリカ共和国の何処で宝石質の螢石が採れるのか、定かではありません。
が、時々パステル・カラーのルースが出現します。
 素晴らしく透明度の高い 6.80 カラットの石は殆ど無色に見えますが、ごくごく淡い黄緑を帯びています。
 屈折率が 1.43 とあらゆる鉱物の中で最も低い螢石ですが、トパーズかと思うほどに輝くのは、冴え渡るカットの技の賜物です。
 多色の縞模様の螢石はありますが、くっきりと緑と黄色の二色に分かれたものは螢石としては大変珍しい色の取り合わせです。
 やや透明度に欠けるのが惜しまれますが、貴重な標本には違いありません。

中国の螢石(Fluorites of China)

3.66ct
11.0x6.7mm
2.63ct
8.0x6.6mm
水晶上の螢石結晶 3cm
(Fluorite cuboctahedron, 3cm)
江西省 徳安市 武山鉱山
(Wushan mine, near De'an city, Jiangxi)
  1990年代以降、中国産の螢石が世界の鉱物標本市場を席巻するようになり、その勢いは現在に至っても未だに衰えを見せるどころか、ますます盛んになっています。
 その理由は、世界の主な螢石鉱山が閉山されたり、鉱脈が枯渇に向かっているのに対して、主に中国南部の湖南省、江西省、福建省、広西族自治区等に集中する鉛、亜鉛、錫、タングステン、モリブデン、アンチモン、マンガン等々の金属鉱山の開発が進み、これらの鉱山の脈石から副産物として膨大な螢石が発見されるためです。
 産出する螢石の大半は製鉄用や化学工業製品の資源となりますが、美しい形や色合いを持つ結晶が標本や工芸品として市場に出回るようになったというわけです。
 しかしルースとしてカットされた中国産の螢石は極めて稀です。宝石質の透明な結晶が少ないこと、またモース硬度が低く、さらに結晶の全方向に完全な劈開性を持つ螢石はカットが困難であり、その上螢石ルースのコレクターが世界に数えるほどしかいない為、苦労してカットしても市場が無いという理由でしょう。
 写真のルースは、したがってアメリカで螢石の専門家によってカットされた貴重な標本です。
かなりの包有物を含みますが、エッジの切れのよさと全体のプロポーション等、思わず唸ってしまうほどの見事な作品です。
 産地の詳細は不明ですが、現在の中国でこの色合いと包有物の特徴を見せる螢石はほぼ江西省の武山鉱山と思われます。 銅の露天掘り鉱山です。

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