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◆ころがるそらのひろがり 1988 ヒルサイドギャラリー/東京・渋谷
◆LEAF- 葉状の 1991 ヒルサイドギャラリー/東京・渋谷

◆ころがるそらのひろがり 1988 ヒルサイドギャラリー/東京・渋谷


ころがるそらのひろがり 熊本県立近代美術館分館展示風景  熊本県立近代美術館収蔵− 木、アクリルペイント
 

 

1988年に東京渋谷区のヒルサイドギャラリーと熊本市のギャラリーOMOで発表したインスタレーション作品。熊本県立美術館友の会賞を受賞した際に収蔵されました。
 流木と戯れながら形態と空間の構成を探りました。流木の素材感・存在感と加工性とのバランスを意識した、伝統的な継ぎ加工がかすかに匂うような組木造りです。

 伝統継ぎそのものではありませんが、ほぞ穴を開けてパーツを打ち込む。切込みを入れて組む。穴をあけて杭を打ち込む、などの、最も基本的とも言えるテクニックの組み合わせです。

  
 ここで必要以上の技巧を見せる必要はなく、素朴な流木の存在に素朴な技を合わせることを選択しました。時代を遡ったかのような時間的な意外性を求めました。成形にはほとんどチェーンソーを使い、形態は荒い刃跡で包まれています。

 元々、ヒルサイドギャラリーの天井に密着するような高さで制作されたので、色装のメンテナンスを行った際に、美術館仕様として形態に一部改変があります。


 素材は、東京湾の新木場の海岸に打ち上げられた流木たちです。大きいものでは直径1mほどのものもありました。新木場の組合と東京都港湾局に許可を得て、クレーン車で拾い集めました。長い間に貯木場から迷い出し、持ち主が判らないまま潮の流れで1箇所に流れ着き、結構な数が転がっていました。

 2tトラック6台分ほど引き取り、新木場の方たちには「ゴミが片付いて助かったよ〜笑」と大変喜ばれました。樹種はさまざまで判明していませんが、輸入材であることは確かです。建材として伐採され、異国に渡り、貯木場からの脱走には成功したものの、浜に打ち上げられて幾十年。

 肌は紫外線で漂白されて荒れていました。木口も腐敗が進みボロボロです。しかし中身はしっかりと強度が保たれています。木材は、環境さえ整えば1000年以上は何ごともないかのように生き続けます。もしかすると私に作品として変容されなくとも、今も彼の地に寝転がって、まだまだのんびりとした時の流れを楽しんでいたかもしれません。

 東京湾の、広々とした青空の色を身に浸み込ませながら…


 

 ●ヒルサイドギャラリー個展カタログ

 

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