人は加齢とともに人格が変化する部分とそうでない部分がある。 高齢になった私の母親は認知症が現れるとともに明らかに人格が変化した。  私の在職中、上司、同僚には多種多様の人格の持ち主がいたし、会社引退後はまた別種の人格持ち主との付き合いも増えた。  そして、私自身の加齢が進むとともに、あらためて、人格障害を考えるようになった。
そこで、この主題について調べてみました。

人格とは

(1)個人的体験

 1)認知症になった親の介護と300人の老人施設体験    
 2)会社で遭遇した特異な人たち
 3)家裁遺言書証人体験 
 4)退職後の専門学校体験 
 5)宗教組織ネット体験

 高齢者と寿命 
 老化
→ 知的衰退(認知症) アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管障害型など 
 知的衰退の1種 → 知的バランス失調 → ◎人格異常

(2)人格の形成: 気質(生まれつき)→ 性格(幼児環境)→ 人格(社会的環境)

気質 (Temperament):性格を作る以前の“刺激”に対する反応の仕方 
性格
(Character):その人に固有の感情・意志の傾向 
人格
(Personality):認知、感情、対人関係、社会的態度、衝動の制御、
これらが持続的にみられる傾向

加齢による性格、人格の変化
 
幼児期(~3歳):生まれつき(DNA)及び環境による性格 
成長期(~40歳):社会経験によるオブラートの成長 
熟年期(~65歳):オブラートの固定 
老年期
(65歳~):オブラートの剥離、異質欠陥の生成 

(3)人格異常:

その人の持っている「人格」が常道からはずれて社会生活に障害を来たすものを言う。 精神病とするには足りないが、普通ではない状態。本人の持つ性格そのものに起因する障害(Personal Disorder)。 生まれ育った環境やストレス、脳機能障害などが人格障害の大きな原因と言われているが定かではない。

薬物による人格異常の例
帝銀事件:コルサコフ症候群 (健忘症の
補償としての作話)  →  高齢者には自然に生じることがある。 

(4)高齢者の人格異常:

脳機能衰退により、もともとあった若年時の軽い性格の偏りが、自己防衛反応で、極端に偏り、他人に苦痛を与えたり、日常生活が困難になるなどの障害が出る。 症状としては、若年の人格異常者と同様の症状即ち、自己中心的、頑固、猜疑的、非協調的、意地悪、怒りっぽい、自閉的、孤立的、などが生じることがある。 

(5)人格異常の要因:精神的「ゆらぎ」制御の失調

マネキン人形と人の立ち方の違い: 人は「ゆらぎ制御」で安定する。
精神も外からの僅かな刺激に対して「ゆらぎ制御」で安定する。 この機能が欠けると精神のバランスが狂う。 
「ゆらぎ制御」は脳内神経伝達物質:脳内ホルモンによるといわれている。

(6)脳内神経伝達物質:脳内ホルモン

1960~1970年代:精神病理学と精神分析学に重きがおかれ、治療法として精神分析療 法、認知行動療法、対人関係療法、家族療法などに重点がおかれた。
1980
年代から:さらに精神疾患が脳内神経伝達メカニズムの問題として理解され薬物療法が加わった。 
神経伝達物質は50種類以上が確認されている。
精神のバランスに関係する主要なものは、

  ・ドーパミン ・ノルアドレナリン ・セロトニン
アルツハイマーでは、βアミロイド蛋白質の生成の結果、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌異常が生じる。 

(7)予防としての認知療法

人は誰しも何がしかの性格や人格上の問題を持っている。 自分が該当する人格障害をどの程度自覚できるか。その自覚のレベルによって加齢とともに障害が消える人、悪化する人、さまざま。 自分の「心のくせ」や思考のパターンを知り、行動を通じて気分の改善を図ったり、社会への適応性を高める試みを自分自身が行うのが認知療法。

加齢による脳活動低下を自覚する。 -- 青春は心の若さ冬の草 --(中出)
認知症は、若い頃の性格を引き継ぐ。 認知療法や薬物療法により、オブラートの剥離を遅らせることができる。 他人の自慢話や成功談をすなおに聞けず、皮肉で応えるようになったら自己防衛の一症状であり要注意。 進行すれば即ち、認知症。

(8)認知療法の難しさと、異常人格を知る意義

◎メルロ・ポンティの言葉:「人間の最大の錯覚は、自分のことは自分が一番知っていると思ってることである」
「人が見ることは、その人が見られることである」(どんな些細なことでも、それをどのように表現するかで、その人の人格が現れる)
「人間関係で誤解というものはない。見られるようにしか見られないのだから。 誤解は自分の中にある」

◎政治家の無意味な言葉「反省すべきは反省し・・・」「必要な道路以外は作らない・・」  どちらも当たり前のことなのに気づいていない。

◎霊長類研究の意義:「猿とは何か」が分かれば「人間とは何か」を知ることができる。 同様に、「人格異常とは何か」を知ることにより「正常な自分とは何か」を認知することができる。
◎人間は「群れの動物」だから、孤立は精神のバランスを失う。という自覚が必要。


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