ロシアや中国等全体主義国に対する第二次 冷戦を開始すべし(2006.4.8)

6、祖国の安全を守るために戦おう

大森勝久

(1)露、中の兵器を使用しない侵略戦争=情報心理戦

 米国における中国観と対中政策が、前文で書いた如く完全に誤っている理由は、「ソ連崩壊と新生ロシア」の大謀略が真実だと広く信じられているからだ。ソ 連の末期にゴルバチョフ派という改革派が現れ、そしてエリツィン派という体制変革派も出現し、8月政変となって新生ロシアが誕生したように、中国でも類似 の変革が起こり得るという幻想を抱いているわけである。一日も早くこの大謀略を粉砕しなくてはならない。

 言論の自由、自由な報道が許されない全体主義国のロシアと中国では、嘘が外交の基本である。嘘をついても国内においてそれを批判する者がいないからだ。 両国では、兵器を使用しない戦争が主要な侵略戦争形態である。情報心理戦という。例えば、偽情報を発信する。改革派ゴルバチョフ、反体制派エリツィンとい うのもこれだ。また「8月政変」のような大演技も行ない得る。

 そして西側のロシア専門家という名のエージェントを使って、ソ連の崩壊と新ロシア誕生という謀略を真実だとプロパガンダさせる。左翼マスコミを始めマス メディアに侵入しているエージェントを使って大々的に国民に宣伝していく。西側政府に侵入しているエージェントを使って、事実だと確認をさせる。こうして 「現実」は作られていく。エージェントになるのは左翼が多いのは事実だが、それ以外のものでも偽情報で操られたり、弱みを握られて脅されたり、金をつかま され、またそれを脅しの種にされてエージェントになる場合もある。ロシアも中国も、情報工作員を使って西側諸国内で日々活動している。1人の工作員が何人 かの日本人のエージェントを操縦する。情報心理戦である。

 私たちはロシア、中国の情報心理戦という侵略戦争の現実をしっかり認識しなくてはならない。認識できなければ対処ができない。

 先日、日中友好7団体の代表が訪中したが、中共は訪中させて工作をしているのである。私たちはこういう人物を厳しく批判し、排除していかなくてはならな い。日露友好団体についても同じである。一時期、日本の対北朝鮮政策を牛耳った元アジア大洋州局長の田中均(小泉首相が重宝した)も左翼であって、北の エージェントである。

 鈴木宗男と共に北方領土を侵略国のロシアに売り渡そうとした元外交官の佐藤優について、中川教授は次のように述べている。「同志社大学在学中は、黒ヘル メットを被り、ソ連を「わが祖国」として、暴力的アナーキストとして悪名をはせたようである。・・・情報分析で高度な能力がある外交官のごとき、偽りのイ メージが流されている。ロシア大使館の旧KGB組織が全面的に裏で動いたことがよくわかる。共産革命雑誌の『世界』も佐藤優を全面的にバックアップしてい るが、ロシアの旧KGBと無関係ではないだろう。・・・この日本の固有の領土を敵国に貢ぐ「反日外交」を暗躍的に誘導した「鈴木宗男機関」の一人が佐藤優 であった」(『福田和也と《魔の思想》』286頁)。

 「中共は、現実としての中共全体の「反日」を日本人に強く意識されないよう、馬立誠なる宣伝専門家の情報工作論文を『中央公論』や『文藝春秋』に掲載さ せた。それは『日本はもう中国に謝罪しなくていい』というタイトルの本にまでなった。中央公論新社や文藝春秋は、情報心理戦のイロハに無知すぎ、結果とし て「中共の役に立つ白痴」になった」(『日本核武装の選択』52ページ)

 中共は、昨年春のように反日デモをやらせたり、止めたり、自由に国民をコントロールできる全体主義国である。馬立誠のような主張は、中共の許可なくして はできない。西側に幻想を抱かせるための情報工作論文なのである。

 ロシアや中国の情報心理戦は、もちろんそれだけではない。情報工作員が西側の左翼を使って、様々な大衆運動を展開させるのである。日本ならば、日共や社 民党(幹部がロシアや中国のエージェントでもある)を使って、反核運動、反軍運動、平和運動、反米闘争、人権運動、ジェンダー・フリー運動等々を展開させ ていくのである。その運動をNHKを始め左翼マスコミで大々的に宣伝するのである。日本のマスコミを支配しているのは日共などの左翼であるが、左翼を通じ て、ロシアや中国は日本のマスコミを支配しているのである。

(2)保守思想を深化させよう

 ロシア、中国にマスコミを支配され、日本政府にも自由民主党にもエージェントが侵入している時、日本政府の対露政策、対中政策は両国の情報心理戦の結果 として大きく歪められ、反日的なものになるしかない。「日露友好」「日中友好」に象徴されている。両国は日本の征服を狙っているのに、「友好」とは何なの だ!完全に、両国の兵器を使わない侵略戦争に敗北している。

 「日露友好」「日中友好」がひとたび政策化されると、その変更は政権の崩壊に至る可能性があるため様々に合理化されて維持・継承されることになってい く。人間には保身や栄達の欲求という弱さがあるから、時の政権とその政策を批判することは大いにためらわれることになる。とりわけ、日本では法の支配の思 想がないからなおさらである。

 だから私たちは、なお一層思想を深め、人間としての倫理観を強化して戦っていくことが求められている。私たちは、由緒ある天皇制の自由な日本国とその法 に忠誠を尽くすのであって、時々の政府(政権)の政策に対してそうするのではない。国家権力を握る政府や議会が、敵の情報心理戦、その尖兵たる国内の左翼 の戦いに敗れて、誤った反日的な政策を採ることほど、祖国とその法に害を及ぼすものはない。国民には、祖国とその法を守る世襲の義務=法的義務がある。 誤った政府と議会には、的確な批判を提起して厳しく対決していかなくてはならないのである。スパイ防止法は議員立法で早急に成立させなくてはならない。不 作為は法に違反する。

 米国政府の誤った対露政策、対中政策についても容認してはならず、米国の保守派その他と連携して批判を展開して、正していかなくてはならないのである。 同盟国の日本だからこそ、建設的な批判を提起できるのだ。

 祖国を守るためには、より多くの人が思想的に最も優れている人から積極的に学んでいくことが一番効果的だ。私は碩学中川八洋教授から学んできた。私は長 い間左翼であった。独力で約28年かかって左翼の平等主義と祖国否定・憎悪主義の洗脳から脱出して、保守派の入口に立ったのが1997年夏であった。その 直後に私は偶然中川教授の『近衛文麿とルーズベェルトー大東亜戦争の真実』(改題『大東亜戦争の「開戦責任」--近衛文麿と山本五十六』)『正統の哲学 異 端の思想--「人権」「平等」「民主」の禍毒』(徳間書房1996年12月)に出会い、それ以降氏の著書・論文を次々と読み一生懸命学んで、今日に至ってい る。

 戦いの土台は思想である。保守派の人々には、中川教授の数々の天才的な著作から学んで自らの思想にしていって頂きたいと切に思う。氏の著書、主張を多く 紹介してきたのもそのためである。

(3)日米同盟の絆の下での核武装を政策化していこう

 現在の米国政府の対中政策(「戦略的分岐点にある国」)が、中国の核軍拡とその高度化、兵器全般の近代化のために時間的余裕を保証してやるものであるこ とは客観的に明白だ。反米政策なのである。いわんや対露政策においておや。米政府内のロシア、中国のエージェントの暗躍の戦果である。もちろん騙されてし まっているブッシュ大統領の責任は巨大だ。

 中国は射程12000kmの自動車搭載式ICBMの開発を進めており、もうすぐ実戦配備されることになる。MIRV弾頭であり、発射命令からたったの4 分前後で発射できると言われている(中川教授)。だから米国のICBMやB--2戦略爆撃機で先制破壊することも困難である。つまり、時間が経てば経つほど 中国の核戦力は増大して対米逆抑止力は強化されていくのである。伊藤貫論文によれば、世界銀行は実質購買力で計算すると中国経済の規模は 2016?2020年頃に米国経済より大きくなるだろうと予測している(『諸君!』2006年1月号35頁)。当然、中国の実質軍事費も米国を上回る。

 中国は米国を核戦力で逆抑止して、台湾、日本など東アジア諸国を征服しようとしている。日本は一刻も早く、中川教授が提唱している「東アジア戦域限定核 戦争戦略」を採用し、日米同盟の絆の下で日本の核武装を開始していかなくてはならない。そうしないことには、近い将来において日本は否応なく中国の属国に されてしまう。もちろんロシアも乗り出すので、両国で分割して属国化するということになるだろう。

 日本への核の脅威は第一にロシア、第二に中国である。西側全体への核脅威の順位も同じだ。両国の唱える「友好」は「侵略」の意味である。米政府の改訂版 『国家安全保障戦略』(06年3月)は、イランを単独で最も脅威になりうる国だとしたが、全く誤りであり、ロシアや中国のエージェントである隠れ共産主義 者のライスたちがなした謀略である。イランの核開発を支援してきたのはロシアである。イランの弾道ミサイル開発を支援したのもロシアや中国である。反米国 家の核開発や軍拡は、米国の軍事力がその分だけ割かれることになるから、ロシア、中国の世界戦略に裨益するからだ。米国・西側の警戒心がテロリストや無法 国家(イラン、北朝鮮)へ向うことは、ロシア、中国の世界戦略にとって極めて有利である。

 私はもちろん親米であるし、保守派は親米である。「反米保守」などというものはないし、それは「右翼」であり、「反日」になっていく。戦前の歴史で実証 されている。しかし「親米」とは、米国の政策であればなんでもそのまま受け容れていくことではないのは言うまでもないことだ。批判精神もなく、ただ米国政 府に追随しているだけなのは真の保守派ではない。現在の米国政府の対露政策、対中政策は完全に誤っており、反米政策になっている。それは米国の保守派の政 策ではなく、保守派に偽装した隠れ左翼のロシアや中国のエージェントがつくりだした政策である。米国本来の政策ではない。だから私たちがその政策を批判す るのは、反米だからではない。親米だから、米国の保守派や他の人々と連携して、この「反米政策」を厳しく批判していくのである。ここを間違わないで欲し い。

 日本国の安全と独立を守るためには、日本人がまず起ちr上がらなくてはならないし、イニシアチブをとらなくてはならない。左翼、「右翼」と戦い、米国の 保守派その他の人々と連携して米政府の対露、対中政策を批判して、日米同盟の絆の下での日本の核武装を政策化していこう。日本の核武装は言うまでもなく、 米国の国益をも著しく向上させるものである。同盟国の日本こそが、米政府の誤りを正していくのだとの気概を持って臨んでいかなくてはならない。

 私たちは米国には、START1・2条約、モスクワ条約を破棄して直ちに核軍拡を開始すべきであることを訴え説得していこう。それが米国と同盟国の安全 を保障する最も有効な政策であることを説得していくのだ。西側陣営は直ちに第二次冷戦を開始していかなくてはならないのである。自由主義と全体主義との戦 いは永遠に続くものなのである。

 中川八洋教授は、日本が保有すべき三種のINFに「黒木」「児玉」「東郷」の名前を提案している。引用しよう。「「黒木」とは1904年4月、鴨緑江を 風林火山を絵に描いたごとく易々と渡河し、2万6000人のロシア人の大軍を瞬時に潰走せしめ、世界を驚嘆せしめた、あの「天才軍人」黒木為禎陸軍大将 (第一軍司令官)のことである」「黒木は、米国のパットン将軍と並ぶ、世界史に残る陸軍の名将である。極東のバックファイアの空軍基地すべてと主要な軍事 中枢施設を奇襲的に壊滅する任を負う、パーシング2Jの名は、やはり「黒木」であってこそ、日本国家全体に士魂が蘇ってくる。なお(GLCMトマホークJ の)「児玉」は児玉源太郎、(SLCMトマホークJの)「東郷」は東郷平八郎からの命名であるのはいうまでもない」(『日本核武装の選択』168、169 頁)。力を合わせ奮闘していこう。

 私は物理的に自分ではパソコンを操作できないため、人の力をお借りして文章を作成してきた。そのためなかなか文章を発表できないが、この6つの文章を書 き上げて、義務の一端を果たせたような気持ちになって、少しほっとしている。左翼批判のまとまった文章も書きたいと考えている。(2006年4月8日記)

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