民主党は日銀・財務省を利用して日本経済の衰退、破綻を狙う

●誤った金融政策が日本経済を長期停滞させた

 日本は1992年に景気後退に陥ってから、今日まで20年間も経済は低迷を続けている。GDPデフレーター(国内総生産全体の物価)では、1994年からデフレ(物価が下落し続ける)であり、消費者物価で見ると、1998年半ばからデフレである。経済学者・岩田規久男氏によれば、日本経済の1980年から1991年までの11年間の平均実質経済成長率は4.5%であり、平均名目経済成長率は6.2%である。しかし1992年から2009年の18年間の平均実質成長率は、0.7%へと84%低下し、平均名目成長率は0.1%と99%低下した。GDPデフレーターは平均1.7%から、マイナス0.7%へと130%も低下したのである(岩田規久男氏『「不安」を「希望」に変える経済学』12頁参照。2010年7月刊)日本は経済の長期停滞により、日本侵略を狙う中国に、GDPでも抜かれることになったのだ。

 1992年前とその後で、もっとも大きく変化した経済変数は、資産価格(地価と株価に代表される)の暴落とその後の長期低迷と、インフレ率(物価上昇率)の大幅低下とそれに続く長期下落である。これが、経済成長を大幅に低下させ、失業率を大きく上昇させたことは明らかだ。つまり日本銀行の金融政策(デフレ誘導型)の誤りが、この資産デフレとデフレ(一般物価水準の持続的下落)をもたらし、日本経済を長期停滞させたのである(前掲書12−13頁参照)。

 2008年9月15日に「リーマン・ショック」が勃発した。各国の中央銀行はデフレ不況と戦うべくお金を刷って金融機関から国債等を大量に買い続けて、マネタリーベース(日本では日銀当座預金と現金)を市場に供給し続けていった。市場に貨幣を供給する金融緩和である。2009年12月頃の時点で米国FRBの資産は、2008年8月末に比べて2.47倍になっていた。つまりマネタリーベース残高は、2008年8月末比で2.47倍になったということだ。英国中央銀行の資産は2.45倍になっていた。米英は大量の貨幣を市場に供給して金融緩和を行い、デフレを阻止していったのである。

 米国、カナダ、スウェーデンは、2009年の一時期デフレに陥ったが、克服されていった。しかし日銀の資産はわずか11%しか拡大しなかった。貨幣はわずかしか供給されなかったのだ。日銀は2009年4月をピークに、日銀当座預金を減らし始め、金融引き締めに転じたのであった。まさに反インフレ、デフレ誘導の金融政策である。これではデフレ不況は深まるばかりだ。そしてデフレは過度の円高をもたらして、日本経済を一層苦しめている(前掲書103頁と102、116、119頁の図表参照)。

●デフレの怖さを認識しない反国民経済の今日の日本銀行

 日銀はデフレの怖さを認識しようとしない。デフレの怖さについて、岩田規久男氏の主張を要約しつつ述べていきたい。

 日銀が引き起こした長期にわたる資産デフレ(資産価格の下落)は、家計と企業のバランスシートを毀損し、バランスシート悪化の経路を通じて消費と投資(住宅投資と民間企業設備投資)の減少をもたらし、この減少が財・サービス価格の持続的下落であるデフレを招くことになった。

 このようにして始まったデフレは、次のようにして民間内需の減少をもたらし、それがさらにデフレと資産デフレをもたらし、この2つのデフレが一層、民間内需の減少をもたらして、成長の低下=経済停滞を招く。

 第一に、デフレになってもしばらくの間は、正社員を中心に「名目賃金」が下がりにくいため、彼らの「実質賃金」は自動的に上昇してしまう。そうすると企業は、コストを下げるために正社員の雇用を減らし、新卒を中心に失業者が増大する。さらに企業は、正社員を、実質賃金が低く雇用調整も容易な非正規社員に置き換えるようになる。こうして労働所得の全体は減少し、経済全体の民間消費は減少する。雇用不安がある状態では、職を持った家庭も貯蓄を増やして消費を減少させるので、民間消費は一層減少する。

 第二に、借金をして耐久財消費や住宅投資および企業設備投資をする場合は、デフレ下では財の将来価格は低下すると予想されるから(予想インフレ率はマイナスになる)、「予想長期実質金利」(=長期名目金利−予想インフレ率)は、デフレ分だけ高くなってしまう。住宅投資は採算がとれなくなるであろう。それゆえ、その消費や投資は抑制されて、民間内需を減少させる。

 自己資金で消費、投資をする場合も、デフレになれば「デフレ期待」(将来、財・サービス価格が下落するという期待)が生まれるから、消費と投資を先送りにすることが有利になり、民間内需が減少することになる。

 第三に、デフレになると財とサービス価格が低下するから、企業の名目収益の減少が予想され、株価が下落する。同様に、名目の地代・家賃の低下が予想されるから、地価も下落する。この「資産デフレ」によって、家計と企業のバランスシートが悪化するため、家計と企業は支出を抑制し、借金の返済を優先してバランスシートの悪化に歯止めをかけようとする。銀行もバランスシートの悪化した家計や企業へは貸し出しを抑制するようになる。これらにより、民間内需は減少する。

 借金の名目金利は同じでも、デフレ分だけ実質金利は上昇するから、家計と企業の金利負担は増大することになる。従って、この点からも支出を抑えて、借金返済を優先することになる。借金返済のための現金を得るために、商品や資産を投げ売りすることにもなり、一層2つのデフレが深まることになる。

 第四に、デフレは過度の円高をもたらして、輸出を抑制するとともに、製造業の海外流出を促して、国内産業の空洞化をもたらす。円高は国内旅行から海外旅行への代替を引き起こして、地場産業と観光業に大きく依存する地方経済を疲弊させる。また同じ理由で、円高は海外企業の日本国内への直接投資を抑制する。これら全てが、国内の需要を減らしGDPを減少させ、失業者を増大させる。

 日本の賃金は、過度の円高のために、国際比較すると高くなるから、国際競争にさらされる製造業の賃金は上りにくい。製造業の賃金が上らなければ、それよりも生産性の低い非製造業では賃金は一層上らない。賃金が上らなければ、消費は伸びず、内需産業も成長できない(以上は前掲書75−78頁参照)。

 日銀は全くデフレの怖さを認識しようとしない。日銀の反インフレ目標(2−3%)、デフレ誘導政策という誤った金融政策のために、そしてそれを是正できない政府のために、日本経済は1992年から今日まで、実質成長率で平均0.7%、名目成長率は平均0.1%、GDPデフレーター(GDP全体の物価)は平均マイナス0.7%というように、長期間停滞することになってしまったのである。

 税収は名目経済成長率と正の相関関係を持つ。名目所得、名目消費と正の相関関係を持つ所得税や消費税は、デフレが続く限り増えようがない。1990年度には60.1兆円あった税収は、2009年度にはわずか38.7兆円にまで減っている。財政悪化をもたらした最大原因である。厚生年金保険料も、デフレが続く限り減り続ける。日銀はまさに反国民経済を政策にしている。

●日本は新政府・新日銀の下で4%−5%の名目経済成長は簡単にできる

 経済学者・高橋洋一氏の主張を紹介しよう。

 今、日本経済が低迷しているのは、政府や日銀が無策で20年近くデフレを放置しているからだ。ごく普通のまともな経済政策さえやれば、日本は4−5%ぐらいの名目経済成長は簡単にできる。それは、日銀が紙幣を刷って市中の銀行から国債を買ったりして資産を増やして、バランスシートを膨らませ、市場にどんどん通貨を供給して金融緩和すればいい。

 デフレというものはモノの量とお金の量があって、モノが増えているのにお金が増えず、 相対的にモノの価値が低くなることだ。このデフレを脱却するには、日銀がお金を市場に供給して、モノとお金の量をバランスさせることだ。しかし日本は90年代以降、こうした効果的な金融政策をほとんどやってこなかった。

 リーマンショック後、世界的に需給ギャップが拡大してデフレが進んだが、先進国の中央銀行はバランスシートを急激に膨らませた。スウェーデンなどは3倍以上に膨らせた。猛烈金融緩和だ。

 中央銀行のバランスシート拡大による通貨増(ベースマネー増)は、市場にインフレ期待を広げるため、企業の設備投資の需要が拡大したり、通貨安となって輸出が伸びるなど、市場が活性化して、消費が増える。でも「反インフレ至上主義」の日銀だけは金融緩和をさぼった。「やります」というかけ声だけで実際は十分にやっていない。日銀のバランスシートはほとんど拡大していない。こうした日銀の無策によって、日本経済は現在もデフレから抜け出せず、低迷が続いている。

 1991年度は474兆円の名目GDPであったが、2009年度もほぼ同じ水準だ。この間、日本以外のG7各国は年平均4.5%程度の名目経済成長をしている。もし日本が同レベルの成長を遂げていれば、2009年度は1028兆円(名目GDP)と2倍以上になっていたはずだ。失われた20年がなければ、今ごろ日本人の給料は2倍になっていたということだ。

 過去10年間のOECD諸国のインフレ率と名目GDPの成長率の関係を見ると、日本だけインフレ率はマイナス(デフレ)で、成長率もゼロ。さきほどのスウェーデンはインフレ率2%で名目成長率が5%。他の国もだいたい同じ水準で、日本だけが異常に低い。

 今、日本に必要なのは、経済成長による税収増を目指すことだ。経済成長するのは簡単である。日銀がお金を刷って市中銀行から国債を買ってもいいし、政府から国債を直接引き受けてもいい。日銀が動かないなら政府紙幣を発行してもいい。  経済成長してデフレを脱却すれば、失業率も減っていくし、医療費や年金などの社会保障もほとんど問題にならなくなり、財政再建も必要なくなるであろう。

 デフレ下で増税なんかしたら、景気が悪くなって、かえって税収は減るだけである(高橋氏「経済成長で多くの問題が解決できる」参照。月刊誌『ザ・リバティー』2011年4月号収録)。

 日本がかつてのように経済成長を取り戻すことは難しいことではない。この間、他の先進国は平均4.5%程度の名目成長を実現しているからだ。日本経済の長期停滞は、日銀の誤った金融政策が原因であるから、正しい金融政策に改めさせていけば、実現できるということである。

 再び岩田規久男氏の主張を要約しつつ紹介していこう。

 政府が、明確に2−3%のインフレ目標を設定して、日銀に中期的(1年から1年半程度)にその目標を達成することを義務付けるのである。達成できなかったときは、日銀の政策委員会のメンバーは責任をとって辞職する。政府が発行する国債と同額の国債を、日銀がお金を刷って銀行から買えばいい。これは実質的に、国債の日銀引き受けによる発行と同じだ。日銀は中期的に2−3%のインフレを実現するべく、その旨を明確にアナウンスし、必要であればそれ以上の国債を銀行から買い取っていかなくてはならない。

 12年間(1998年半ばから)デフレが続いていることを考えると、より望ましいのは、消費者物価指数(生鮮食品を除く)が1998年の水準に戻るまでは、ポール・クルーグマンが提言しているように4%を目標にし、それ以後は2−3%を目標にすることである。

 日本にはこれ以上、日銀・日銀応援団連合と議論している余裕はない。一刻も早く、日本ではいまだに実施されたことのない唯一の不況脱出政策であるインフレ目標政策を採用するときである。しかしそのためには、新日銀法を改正するだけでなく、日銀総裁をはじめ政策委員会のメンバーをインフレ目標支持派に総入れ替えする必要があり、現在の緊急対策としては間に合わない。

 そこで考えられるのが、昭和恐慌からの早期脱出に成功した高橋是清蔵相に倣って、日銀による国債の直接引き受けを実施することである。財政法第5条の但し書き、日銀法第34条3項により、国会の議決によって、これはできる。政府は早急に、日銀引き受けによる国債発行を国会に提出すべきだ。その時、インフレが激しくならないように、インフレ率に2−3%程度の明確な上限値を設定すべきである(岩田氏前掲書124、125頁参照)。

 岩田氏はもっと後のところで、「インフレ目標の導入が有効である。目指すべき最低限は、実質成長率2%と名目成長率4%である。この場合、GDPデフレーター(国内総生産全体の物価)の上昇率は2%になる」(同書201頁)と書いている。つまり名目GDP成長率4%以上を目指すということである。

 白川日銀総裁は、「需要自体が不足しているときには、流動性を供給するだけでは物価は上昇しない」(2009年11月20日の記者会見)と言う人物である。岩田氏は、「世界広しといえども、中央銀行の中で、金融政策ではデフレを止められないと主張するのは日銀だけである。日銀の金融政策の目的は「物価の安定」である。デフレでは物価は安定しているとはいえない。したがって、金融政策ではデフレを止められないというなら、日銀の存在理由はない。・・・なぜ、民主党政権は白川総裁に辞任を迫らないのであろうか」(同95頁)、と日銀と民主党政権を批判する。

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは、「日本のGDPデフレーター・・・は、ここ13年、下がりっ放しです。それなのに今、日銀が重い腰をあげないというなら、(その責任者たる総裁は)銃殺に処すべきです」と、日銀を批判する(「間違いだらけの日本経済−考え方がダメ」。「週刊現代」2010年8月14号掲載)。

 日銀はあくまでも政府の一員であるから、「中央銀行の独立性」とは、目標を達成するための手段選択に関する独立性をいうのであって、目標設定自体を独立して行えるということではない。目標設定は政府が行うのだ。1998年改正の新日銀法は間違っている、と岩田氏は批判する(岩田氏『世界同時不況』189頁参照。2009年3月刊)。高橋洋一氏も、「日銀法は政府が目標を課す仕組みになっていない、世界でも稀な欠陥法だ」と批判している(『voice』2010年10月号。「日銀法を改正しインフレ目標を定めよ」56頁)。日銀法は<法>に違反する悪法律であって、無効である。

 だが、「合理的とは思えぬ理由で自民党の人事案に反対しつづけ、結局、量的緩和に効果なしといいつづけてきた白川方明副総裁(当時)を総裁に据えたのは、そのとき野党であった民主党である」(高橋氏前掲『voice』論文54頁)。白川氏は2008年4月9日に総裁になった。

 民主党が、日銀内の代表的な「反量的緩和派」の白川副総裁(当時)を総裁に据えたのは、民主党が反金融緩和を党是としていたからである(経済学者・野口旭氏の論文「日銀に量的緩和を再開させよ」。『正論』2010年2月号、89頁参照)。

 だから民主党・政府が、日銀法を改正し、2−3%のインフレ目標を設定して日銀にその達成を義務付ける政策を採ることはありえない。また民主党・政府が、国会の議決によって、国債を日銀に直接引き受けさせる政策を採ることもありえないのである。

 民主党は、日本経済の衰退、破綻を狙っている反日侵略勢力である。前記の政策は、保守勢力が政府を奪回してこそ、実現できるものなのである。

●インフレ目標政策によって「インフレ予想」を形成する

 デフレ不況を脱却するためのインフレ目標政策は、中央銀行(日銀)が自らの金融政策によって、市場参加者に「インフレ予想」を形成させることによって、デフレ不況を克服していくものである。岩田氏は、「インフレ目標政策採用国の経験は、動学的に整合的な金融政策による(インフレ)予想形成メカニズムこそが、金融政策の有効性を確保する王道であることを改めて示している」(前掲書151頁)とする。クルーグマン氏も、「私はインフレへの期待という心理的側面こそが、景気回復へのレバレッジ(てこ)になると考えている」(前掲論文)と述べる。  岩田氏の主張を要約して紹介していこう。岩田氏が別の所で書いていることも加えている。

 白川総裁が率いる日銀は、「デフレでも全く問題ない」といい続けてきた。こういう発言を続ける限り、たとえ政策金利をゼロ近傍に維持したり、量的緩和政策を復活させても、それによってはインフレ予想は形成されない(同152頁)。

 明確なインフレ目標を設定しても、いつまでに達成するのかを明示しなくては、また達成できなかったときは責任をとりますと明言しなければ、誰も信用しない。日銀は中期的(1年から1年半程)にインフレ目標を達成すると宣言し、そのためには、できることはなんでもやるという姿勢、すなわちインフレ目標への強いコミットメントを鮮明にする必要がある。

 日銀は、マネーはすでにじゃぶじゃぶだと主張してきたが、企業と家計はじゃぶじゃぶのマネーを飲み込んだ上で、なおも現金や預金の保有を増やし続けている。それは人々の間にデフレ予想がすっかり根を下ろしてしまい、マネーを持っていれば、デフレ分だけ利子がつくと思っているからだ。このような状況で、デフレから脱却してマイルドなインフレに移行するのは、まず日銀がインフレ目標の実現に強くコミットした上で、大量のマネー需要を飲み込む以上に、マネー(マネタリーベース)を供給し続けることが必要である。長期国債等を買ってマネーを供給するのだ。そのことによってはじめて、デフレが終息し、インフレ予想も形成されるようになる(岩田氏編『まずデフレをとめよ』21−23頁参照。2003年2月刊。以下の要約も、この著書からである)。

 この金融政策のレジーム転換によって、インフレ予想が形成されて、まず資産価格、特に株価が上昇する。地価も下げ止まり、次第に上昇するようになる。資産デフレの解消と資産インフレへの転換によって、家計と企業のバランスシートが改善されていき、それまで支出を抑え貯蓄に励んでいた家計と企業が、モノやサービスへの支出に転ずることになるだろう。これによりデフレが終息し、インフレになる。インフレになれば、消費の先送りは不利になるから、消費が増えていく。

 このようなメカニズムが予想されれば、足下でデフレが終息していなくても、インフレ予想が台頭して、「予想実質金利」(=予想名目金利−予想インフレ率)が低下するから、企業による設備投資が誘発されるであろう。同じ理由により、住宅投資や耐久財消量も刺激され、増えていくだろう。総需要不足(デフレギャップ)が存在するときは、予想インフレ率が上昇しても、名目金利の上昇はそれを下回るので、予想実質金利は低下するのである。

 大量に供給されたマネーは、国内債券の実質金利が低下するからドル預金やドル建て国債にも向けられるから、円安・ドル高になる。日銀がドル建て債を定期的に購入すれば、より早期に円安に誘導できる。円安は輸出を増やすことになる。

 一国の需要が増えてくれば、生産は増大し、雇用が増大することになる。デフレからインフレへ転化することで、実質賃金は低下するので、企業は雇用を拡大できる。労働所得が増えて、国内消費は増えていく。こうして景気は回復していく。名目所得、名目消費が増えて、税収増になり、財政が再建されていくことになる(前書、21−23、27−28頁参照)。

●日本経済の衰退、破綻を狙う反日・共産主義の民主党政府の経済政策を批判する

(1)反インフレ目標、デフレ誘導の金融政策の推進

 民主党政府は、日銀の反インフレ目標、デフレ誘導の金融政策を共有している。利用している。民主党が政権を奪い取ってから、民主党は日銀にインフレ目標設定を求めたことがない。すなわち民主党を支配する反日・共産主義勢力のプロは、日本がデフレ不況を脱却することを阻止し、長期停滞を続けさせ、さらには、日本経済を衰退、破綻させようと狙っているということだ。

(2)円高の容認

 円高を円安に転換していくことは簡単である。日銀が円を大量に刷って市場に供給すればよい。高橋洋氏は、円とドルの総量を比べると、円の方が相対的に少ないから円高になる。リーマン・ショック(2008年9月15日)後、各国中央銀行は通貨を増やしているが、日銀だけが増やしてないために、円はほとんどの通貨に対して円高になっている。円の「希少価値」が高まったということだ、と主張する。

 日銀がバランスシートを拡大させればいい。統計学的に分析すれば、たとえば、円ドルレートを1ドル100円くらいにしようとすれば、30−40兆円増の量的緩和をやって、バランスシートを拡大すればよい、と言う(『高橋教授の経済超入門』68−70頁参照。2011年4月刊)。

 日銀が「1年−1年半の間に2%−3%のインフレを実現するために、あらゆることをする」とアナウンスして、長期国債やドル建て債などをどんどん買って、貨幣を市場に供給していけばよい。しかし日銀も政府もしないのだ。

 財務省は8月4日に、円売り・ドル買い介入をしたが、一国による為替介入はほんの数日の効果しかなく、今日の1ドル75円台の最高値を付けるようになっている(10月26日以降)。また日銀が、インフレ目標を設定しない、形ばかりの量的緩和をしても、効果はない。

 つまり民主党政府は、円高を容認して、日本経済を衰退させようとしているのだ。日本の製造業が中国に流出して、中国の経済力が強化され、日米など自由主義国の部品供給網が脆弱化することを狙っている。これは日本の、また米国の国家の安全保障にも深く関わる問題なのである。一昨年の夏、鳩山民主党政府が誕生したとき、財務省(大蔵省)出身で民主党最高顧問の藤井裕久氏が財務大臣になったが、彼は就任早々円高を歓迎すると発言している。

(3)デフレ不況下での増税推進

 民主党は、消費税の税率をあげて利権を手にしたい財務省を利用する形で、2013年に消費税率を7−8%に、2015年頃に10%に引き上げようとしている。復興臨時増税もある。「財政再建」は、国民を騙すためのスローガンである。民主党を支配するプロの左翼が狙っているのは、デフレ下の増税による日本経済の衰退、破綻だ。

 先ほど高橋氏の、「デフレ下で増税なんかしたら景気が悪くなって、かえって税収は減るだけです」(『ザ・リバティー』掲載論文)との主張を紹介したが、『高橋教授の経済超入門』からも、要約して紹介したい。

 日本政府の借金は1000兆円だが、バランスシートの左側の資産も700兆円である。純債務は300兆円だ。しかも資産のうち大半は官僚の天下り先への資金捉供だ。借金が大変なら資産を売るのが先決だ。日本政府の資産残高の対GDP比は150%、米国は15%程度、英国は30%台、イタリアは70%台と、日本は桁外れに大きい。700兆円のうち500兆円は金融資産であるから、年金見合い資産150兆円を除けば売却できる。それらは官僚の天下り法人への資金捉供なので、売却によって天下り法人も原則廃止できる。

 財政再建の手段は増税だけではなく、経済成長による税収増もある。後者の方が財政再建の歴史上、オーソドックスな方法である。しかし現在のようなデフレでは、税収は伸びることはなく財政再建はうまくいかない。名目経済成長率が高くなった方が、財政再建に成功する。小泉政権の時、2003年から2007年にかけて名目成長は十分でなかったが(平均1.1%)、プライマリー収支は22兆円も改善した。名目成長すれば財政再建できるわけであるから、増税ではなく、名目成長による税収増を目指すべきだ。「増税」は経済に負担をかける。

 デフレのままに消費税増税なんて、とても正気の沙汰ではない。レスター・サロー名誉教授はクレイジーと言う。過去の教訓から、増税の前に、デフレから脱却して、名目成長率を先進国並みに4%にしておく必要がある。また資産売却と公務員給与カットが前提である。その上で増税が必要なら、景気動向を見て行うのだ(『高橋教授の経済入門』63、64、76、78、79頁参照。政府資産残高の対GDP比のみ、『ザ・リバティー』論文)。

 岩田氏も「増税の前に名目4%成長へ手を打て」(『voice』2010年10月号掲載論文)で「財政再建については、増税を先にして財政再建できた国はないという経験に学ぶべきである。増税は景気を悪化させるため、かえって税収減を招くのである。強い財政のためには、まず、名目成長率を少なくとも4%に引き上げて、税収を増やすとともに」(66頁)、政府資産の売却もすべきだと述べている。

 これらの主張から、デフレ不況下での増税を強行する民主党を支配する左翼が、日本経済の衰退、破綻を追求していることがわかるだろう。

 復興財源は、既に国会議決(18兆円分)があるので(高橋洋一氏「財務省の増税理論、これだけの嘘」。『voice』2011年8月号収録、65頁参照)、日銀引き受けで国債を発行すればよいのだ。国民負担はゼロである。

(4)脱原発

 日本の原発は「3.11」後、津波対策を講じた。原子力安全・保安院自身が、安全性は確保されているとして「OK」を出したのだ。それなのに、菅前内閣は突如、「ストレステスト導入」を言って、原発の再稼動を阻止していったのである。欧米では、原発を運転しながら「ストレステスト」をする。日本もそうすればよいのは当然のことだ。まさに民主党は反日である。今日のような「ストレステスト」を導入するのであれば、悪の法律の制定が必要だ。民主党内閣がやったことは、まさしく法を否定し、国会を否定した独裁である。これに正当に抗議できない日本人の保守派はどうかしている。野田政権もこれを継承している。今、稼動原発は、全体の2割を切る10基までに減り、これも来春にかけて次々停止していき、ゼロになる。

 ここに、民主党が日本経済の破壊を狙っていることが明確に示されている。しかし洗脳されて、民主党の政策を支持する多くの民衆がいる。円高に加えて、電力不足、電気料金の上昇から、海外へ流出する製造業はより多くなる。国内産業の空洞化、失業の増大である。また民主党政府は、「節電」によって、産業と家庭を国家統制する全体主義国家造りをすすめていく。民主党は反日侵略勢力なのだ。しかし、大規模な抗議デモもできない日本国民がいる。(民主党の経済政策の一部についてのみ批判した)。

●反日・共産主義政党の民主党は中露に日本を侵略させることを狙っている

 10月28日、野田首相は「所信表明演説」を行った。「日本経済を長く停滞させてきた諸課題を一つひとつ地道に解決し」とか、「経済成長を通じた増収の道も追求します」とか、「円高自体への対応を含め、あらゆる政策手段を講じます」とか、「希望の種をまきましょう」とか、「正心誠意、命の限りを尽くして、この困難を克服する具体策を実行に移す覚悟です」等の言葉が並んでいる。すべて国民を欺く「転倒語」である。

 共産主義者の近衛文磨首相(当時)が、「和平」を唱えながら、毛沢東の中共に支那を支配させるために、蒋介石率いる国民政府の支那との戦争である日支戦争を拡大し、「平和」を唱えながら、太平洋戦争開戦へと日本を引っ張っていき、「ソ連に和平を仲介してもらう」と唱えながら、ソ連に日本を侵略、占領させようと策略したやり方と、民主党政府のやり方は同じである。

 民主党は、中国やロシアや北朝鮮の尖兵である。中国やロシアが、日本への軍事侵略を本格的に開始するのは、あと10数年先でしかない。民主党政府は、日本経済を破壊し衰退させ破綻させて、日本の国防力を弱体化し、両国の日本侵略を容易にすることを狙っているのだ。日本経済が衰退し破綻すれば、国民は分裂するようになる。左翼勢力も飛躍的に増大していく。そうなれば、私たちは中国、ロシアの侵略に対して、団結して戦うことはできなくなる。

 私たちは民主党の正体を見抜き、国民に広く訴えて、一日も早く侵略者の民主党を政権から追放しなくてはならない。そうしなければ、日本は滅びることになる。

2011年10月30日脱
大森勝久


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