「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(7月1日閣議決定文)は大嘘であり、違<法>・違憲である

●自衛のための軍隊の保持と交戦権を認める「本来の憲法9条」(芦田修正論)を否定する反日左翼の安倍首相ー軍隊を持たなければ最小限度の自衛権しか行使できず国の安全と存立は守れない

 保守の様々な人が 、集団的自衛権の行使を限定的に認めた7月1日の「閣議決定文」(タイトルのもの)を、強弱の違いはあれ評価している。「新しい安全保障法制の整備の基本方針」がこれである。全面批判する主張は見ていない。しかし、前回論考(7月21日脱)で述べたように、この「閣議決定文」を全面的に批判し否定してこそ真の保守である。保守の著名人において全面批判する人がいないことが、日本の保守派のレベルの低さを如実に示している。読者の方々には、著名人を頭から信用せず、常に批判的にその主張を見ていってほしい。自立精神を持って、原理原則から考えていってほしい。

 繰り返しておきたい。「本来の憲法9条」は、第1項の侵略目的以外の目的であれば、すなわち自衛や国連の集団的安全保障措置の実施(多国籍軍の軍事行動)やPKO活動のためであれば、軍隊(戦力)の保持を容認し、交戦権を認めているのである(憲法9条2項)。この憲法9条解釈を「芦田修正論」(1946年8月)という。それは、 GHQも連合国極東委員会(11ヶ国)も共有した正しい憲法9条解釈である(1946年8月、9月)。国際法に合致しているものだ。

 しかし歴代内閣は、「憲法9条2項は軍隊(戦力)の保持と交戦権を禁止している」と、「芦田修正論」の「本来の憲法9条2項」を否定する「反日の解釈」をしてきた。この解釈は、国際法と憲法9条(本来の9条)に違反するものであり、憲法98条によって無効である。歴代内閣は上記であるから、自衛隊を軍隊(戦力)ではなく「実力組織・部隊」であるとしてきたのである。

 国際法において、主権国家は自衛権(個別的自衛権・集団的自衛権)を軍隊によって行使するのである。だから、我が国は軍隊を保持していないという「異常国家」(日本のことである)は、軍隊ではない「実力組織」によって、自衛権を行使するしかない。その場合は、自衛権を全面的に行使することは認められない。つまり、最小限度の自衛権の行使を許されるだけである。だから、軍隊の保持を否定することは、国の自衛権を自ら大きく制約する反国家政策なのである。反日政策だ。

 自衛権を最小限度にしか行使できなければ、国の安全と存立を全うできないのは明白である。高校生でも理解できることだ。

 だが、本来の憲法9条は前述したとおりであり、GHQも連合国も共有したものなのである。ひとり日本政府だけが、誤った「反日の9条解釈」をしてきただけだ。だから内閣が、「本来の憲法9条解釈(芦田修正論)に復帰する」と閣議決定し(従来の解釈を全否定する)、また「自衛隊は軍隊だ」と閣議決定すれば、日本は「異常国家」から「正常国家」へと脱皮・飛躍していくことが出来る。国の安全と存立を全う出来るようになっていく。日本は本来の憲法9条に立脚すれば、個別的自衛権も「専守防衛」という大きな制約・限定なしに、米国のように全面的に行使できる。集団的自衛権の行使も全面的に出来る。

 これが<法>の支配が政府と国民に命じていることだ。<法>的正義である。科学でもある。

 ところが「安保法制懇」が5月15日に「報告書」を首相に提出して、「あるべき憲法9条解釈」として「芦田修正論」を提言したにもかかわらず、安倍首相は当日即座に「芦田修正論は採用しない」と記者会見で一蹴したのだ。<法>の支配を否定した反日犯罪である。

 だが、この点を批判する保守派の識者は現れなかった。保守派の戦いがあまりにも弱すぎるから反日左翼の安倍首相らのこの反日犯罪を許したのであった。そして今、7月1日の「閣議決定文」を許すことになっていったのである。私たち保守派は、深く自己批判しなくてはならない。自らに対してこそ厳しくあらねばならない。それが倫理道徳だ。

 本来の憲法9条(芦田修正論)に復帰することを拒絶して、自衛権を最小限度にしか行使できないままであれば、国の安全と存立を守り抜いていくことが出来ないのは自明だ。それなのに安倍内閣は、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」というタイトル文を7月1日に閣議決定した。この閣議決定文が国民を騙す大嘘であることは、私のこの文を読めば高校生でも分かる。つまりもし、発言力を有する著名人と保守系マスコミが、同様の主張を展開してきていれば、国民の認識を大きく変えることが出来て、 7月1日の閣議決定文は阻止できたのである。保守派の敗北である。

 安倍首相は、保守の思想が未熟であるために5月15日の記者会見で「芦田修正論」の憲法9条解釈を拒否し、その下で作成した文を7月1日に閣議決定したのではない。彼は反日左翼であり、ロシアや中共の尖兵(思想工作員)である。彼は保守派や民族派に偽装して活動することで自民党総裁と首相の座を得て、その権力を利用して、保守派や自民党が真の保守派や保守政党に脱皮していくのを妨害し、日本を国防が出来ない国のままにし、更に日米同盟を弱体化・解体して(独裁者・侵略者のプーチンと連携して、「日露の戦略的パートナーシップの構築をめざす」) 、日本を近い将来、ロシアと中共に侵略させて滅ぼすために、自覚的に一連の反日闘争を展開しているのである。7月1日閣議決定文は、日本に対する法律的侵略である。

 左翼の反日闘争は、すぐにそうだと判る「公然の日本共産党」等が展開する戦いだけではない。正体を偽装して政府(内閣、中央省庁)、与党に潜入して戦う左翼の反日闘争があるのだ。両者は当然、表面的内容を異にするものになるが、最終目標は同じである。両者は有機的に連携している。

●「集団的自衛権の限定的行使」を口実にして自衛権の「発動要件」を大改悪し、国防を更に困難にした7月1日閣議決定文

   7月1日に閣議決定された文の中に、「自衛権発動の新3要件」がある。集団的自衛権の行使を限定的に容認するために、「自衛権発動の新3要件」が定められたのである。「新3要件」のうちの2つ目と3つ目の要件は、これまでの個別的自衛権発動(すなわち日本有事)の3要件の2つ目と3つ目と同じである。だが「新3要件」の1つ目の要件が、これまでの要件を極めて厳しくするものになっており、大改悪(すなわち反日。日本に対する法律的侵略)されてしまったのだ。「新3要件」を次に引用する。 (1)(2)(3)は私が付けた。

 「(1) 我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、(2)これらを排除し我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、(3)必要最小限度の実力を行使すること」である。

 集団的自衛権行使のことはひとまず措いておく。「新3要件」の1つ目の要件では、従来の個別的自衛権を発動できる要件のうちの、「(我が国に対する)武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」が除外されてしまい、「武力攻撃が発生した事態」のみにされてしまったのである。前者の事態では、自衛権を発動できなくなるのだ。

 個別的自衛権発動=「防衛出動」発動の1つ目の要件は、現在は以下である。自衛隊法第76条(防衛出動)第1項は、「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態に際して、我が国を防衛するために必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる」と謳っているのである。つまり、「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」(2003年)の第2条(定義)の二の「武力攻撃事態」(「武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」)の時に、防衛出動を命じることが出来るのである。これは国際法に合致しており正当である。

 だが、閣議決定された「新要件」では、「武力攻撃事態」のうちの後者の事態が除外されてしまった(この点は、潮匡人氏が『正論』9月号79頁で、「私に言わせれば、要件はより厳しくなった」と批判していた)。まさに大改悪であり反日犯罪だ。例えば、中共の海軍が尖閣諸島を武力攻撃して占領するために、軍港から出航して尖閣諸島へ向かってくれば、現在であれば「武力攻撃事態」(のうちの後者)であるから、内閣総理大臣は自衛隊に防衛出動を命じることが出来る。事前や事後の国会の承認が必要であるが。防衛出動が発令されれば、同盟国米国も集団的自衛権を行使して日本を防衛するために中共と戦う態勢をとることが出来る。しかし「新要件」では、未だ武力攻撃が発生していないから防衛出動を発令することが出来ない。まさしく国防法制における大改悪であって、法律的侵略だ。

 それだけではない。「新要件」は、「これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」の制約を、1つ目の要件に加えたのである。こうなると、中共が武力攻撃(軍事力行使)して尖閣諸島を占領した場合でも、政府、国会、マスコミ、社会において、「尖閣諸島は無人の小さな島に過ぎず1つ目の要件に該当しない。防衛出動を発令するのは法律違反だ!」と、自衛権発動に反対する非国民たちの声が大きくなり、発動されないことになっていく。

 領土は1平方メートルだって、自衛権を発動して(防衛出動発令)死守しなくてはならない。こんな「自衛権発動新要件」を閣議決定した安倍首相らは反日左翼であり、要衝の島・尖閣諸島を防衛する意思がないことが明らかである。中共に貢ぐつもりでいるのだ。安倍首相が尖閣諸島に陸上自衛隊部隊を常駐させないのも、民間人を定住させようとしないのも、このためである。

 自衛戦争において、時間は重要な軍事要素である。より早く防衛出動を発令すれば、それだけ防衛態勢を強化することが出来て、防衛に成功する確率が高くなる。防衛態勢とは、軍隊だけを言うのではない。国民防護隊もある。現在は、政府の不作為のため国民防護隊は全く設置されていないのだが。

 ロシア、中共、北朝鮮が、本格的に日本に武力攻撃を仕掛けてくるときは、彼らはまず核弾頭、化学弾頭の弾道ミサイルや巡航ミサイルを撃ち込んでくる。もし「武力攻撃が発生した事態」をまって対処するのであればMD(ミサイル防御)では破壊に失敗することがあるし、MDは巡航ミサイルには対処できないから、自ら祖国の大破壊を招いているに等しい。それは祖国に対する大犯罪の反日行動だ。意識的にこの「新要件」を閣議決定した安倍首相らは、ロシア、中共、北朝鮮の尖兵たる反日主義者である。つまり、侵略者である。

 日本は、米国から残存性の高い中距離核兵器を輸入し配備して、上記のような場合には、「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」において、自衛権を発動して(防衛出動を発令して)、侵略国が核ミサイルを発射する前に、自らの核兵器で彼らの核ミサイル基地等を攻撃して破壊しなくてはならないのである。

 もちろん私たちは、「非核3原則」を破棄する閣議決定を早急にしなければならない。 7月1日閣議決定文には、「非核3原則を守る」と記されている。日本侵略を狙うロシア、中共、北朝鮮が核兵器を配備しているとき、日本も米国から緊急輸入して核武装しなければ(発射キーは日米の2重キーとする)、彼らの核攻撃を抑止できない。日本は核武装し、日米共同でロシア、中共、北朝鮮を核包囲する「東アジア戦域限定核戦争戦略・態勢」を構築していかなくてはならないのである。それでも、もし抑止が崩壊したときには、日本は今述べたように、相手が核を撃つ前に、自らの核ミサイルで相手の核ミサイル基地等を破壊するのだ。米国も前方展開している核戦力によって、同様に相手の核ミサイル基地等を攻撃して破壊する。

 反日左翼の安倍首相は、今年の8月6日の広島集会、8月9日の長崎集会でも、「非核3原則堅持」「核兵器廃絶」をアピールして、ロシア、中共、北朝鮮を援助する反日反米闘争を行った。このことを認識する保守派は、果たしてどれほどいるのであろうか。そもそも両集会は、左翼の反日反米集会である。

 安倍首相らは、「集団的自衛権の行使を限定的に容認する」を口実にして、国民の軍事音痴を利用して「自衛権発動の新要件」を作って、国の安全と存立を守ることを一層困難にしようとしているのである。反日闘争である。日本に対する法律的侵略である。私たちは認識を深めて、安倍首相らを打倒していかなくてはならない。

 そんな反日勢力の安倍首相らが、日本の安全と存立に、実質的に役立つ「集団的自衛権の限定行使」を認めるはずがないのは明らかではないか。保守派やマスコミは騙されているのだ。次節でそれについて述べよう。

●「台湾有事」と「朝鮮半島有事」について

  日本が集団的自衛権を行使して防衛しなくてはならない国のひとつは、台湾である。前回論考でも書いたように、台湾は日本の「生命線」であるからだ。だが、政府が提示した集団的自衛権行使の「事例集」には、「台湾有事」は無い。7月1日閣議決定文は、「我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生し(…)」としている。すなわち、台湾は該当しないとされてしまっているのである。それは「日中共同声明」(1972年9月)の第三項(つまり、台湾は中国の領土の不可分の一部であるとする中国政府の立場を日本政府は尊重する、というもの)のためである。もちろん、「台湾有事」を集団的自衛権行使のケースから除外したのは、反日左翼で中共の尖兵の安倍首相の指示だ。

 私たちは、自由国家台湾、親日国家台湾を切り捨てた、こんな「日中共同声明」などは破棄しなくてはならないのだ。中共は、日本の尖閣諸島の領海を恒常的に侵害し、「沖縄も中共領だ」と沖縄侵略の意思も隠さず表明し、主権国家(日本)の専管事項の教育、宗教に常に内政干渉し、太平洋の西半分を支配すると表明して、「日中共同声明」の第六項、七項をことごとく否定し破壊してきた侵略国家である。中共は「日中平和友好条約」(1978年10月)の第1 、2 、3条もことごとく否定し破壊している。

 正しい日本政府は、「日中平和友好条約」の失効(第5条)も宣言し、日本の「生命線」たる台湾と同盟条約を締結していかなくてはならないのである。

 日本は、中共との政治・外交関係における国交断絶を決断すべきだ。同じくロシアとの政治・外交関係における国交断絶も決断する。両国の在日大使館・領事館は、対日謀略活動(偽情報工作活動)と諜報(スパイ)活動の拠点である。また日本人の思想工作員(反日左翼等)と諜報員(スパイ)を指揮する司令部である。対日侵略基地が在日大使館・領事館であるから、国交を断絶してそれらを閉鎖に追い込めば、日本の安全と存立にとって、巨大な利益になる。情報国防である。

 政府は、「朝鮮半島有事」における限定的集団的自衛権行使の事例として、事例8から事例12を提示した(事例13はありえない事例なので省く) 。だが、前回論考に書いたように、北朝鮮は韓国を軍事侵略するときには、同時に日本各地に化学弾頭のノドン・ミサイルを撃ち込むのである。「日本有事」である。安倍首相らは、日本が個別的自衛権を発動する「防衛出動」ができないようにするために、この真実を意図的に隠している(前回7月21日脱の文に目を通して頂きたい)。

 日本が正しく防衛出動するならば、事例8から事例12の戦闘は、個別的自衛権に基づく戦闘なのである。集団的自衛権行使など全く関係ない。

 中共が尖閣諸島を軍事侵略した場合は、もちろん日本は個別的自衛権の行使で防衛出動するのであり、集団的自衛権行使などやはり全く関係がない。

 安倍首相らは、国民の軍事的無知を利用して国民を騙して、「集団的自衛権の行使を限定的に認めれば、日本はより安全になるだろう」と思わせて、逆に日本の国防を一層困難にする「自衛権発動の新3要件」を閣議決定していったわけである。日本に対する法律的侵略戦(反日闘争)である。私たちはこのことをしっかりと認識しなくてはならない。

 今「正しい政府」がやるべきことは、現在の自衛隊法に規定がない、「平時の国防」というべき「領域(領土・領海)保全対処」(=領域侵害排除)を法律に定めることと、個別的自衛権も限定的にしか行使できない現状(「専守防衛」と言われているものであり、海外での武力行使ができない)を根底から変えていくことである。これが正しいアプローチだ。

 「国防軍を保持できない」と誤って憲法9条2項を解釈してきたから、自衛権の行使は最小限度に留まることになり、「専守防衛」となっているのであるから、政府が憲法9条2項を正しく解釈し直して(芦田修正論を支持する)、自衛隊も軍隊だと閣議決定すればよいのである。だが、反日ゆえに安倍首相らはこれをしないのだ。

 この閣議決定をすれば、軍隊を保持する日本国家は、個別的自衛権も集団的自衛権も完全に行使できるようになる。米国や英国等のようにである。その時の自衛隊(国防軍)の活動地域には地理的な制約はなくなる。

 そうすれば、「朝鮮半島有事」において北朝鮮がノドン・ミサイルを日本に撃ち込めば、日本は個別的自衛権を発動して北朝鮮まで攻め込んでいくことも出来る。韓国、米国と共同して北朝鮮と戦うのである。仮にもし、北朝鮮が日本にノドン・ミサイルを発射しない場合は、日本は集団的自衛権を発動して、韓国を防衛して北朝鮮と戦うのである。米国とも共同してである。この時、韓国政府が求めれば、日本軍は韓国内でも北朝鮮内でも戦うわけである。事例8から事例12は、そのごく一部に過ぎない。

 中共が台湾を軍事侵略した場合は、日本は集団的自衛権を行使して台湾を防衛するために中共と戦うのである。米国とも共同してである。この時も自衛隊(国防軍)の活動地域に地理的制約はない。

 以上で、安倍首相らの「集団的自衛権の行使を限定的に容認する」等の7月1日閣議決定文が、評価されるものではなくて、全面的に否定されなくてはならないことが理解されるであろう。安倍首相ら反日左翼は、保守派とマスコミと国民を完全に騙しているのだ。騙された保守派の著名人やマスコミは自己批判すべきである。

●平時の国防の「領域保全任務(領域侵害排除任務)」を自衛隊法に規定することを拒絶した7月1日閣議決定文

   7月1日の「閣議決定文」は、「武力攻撃に至らない侵害への対処」の章で、警察や海上保安庁が緊密に協力して対応するのを基本方針にする、と書く。そして、それらが対応できない場合の対応として、自衛隊の治安出動や海上警備行動を発令することもあらかじめ十分検討し、状況に応じた早期の下令や手続きの迅速化のための方策を検討する、と書いている。

 全くひどい。自衛隊による「領海侵害排除任務」と「領土侵害排除任務」の新設は完全に拒絶されているのである。防衛省・自衛隊はこの任務の新設を求めているのにである。「平時の国防(法)」の否定だ。なお現在でも、航空自衛隊による「領空侵害排除任務」(84条)は規定されている。ただし、そのROE(戦闘規則。防衛省では「部隊行動基準」と呼称しているが)は、狂っている。先制攻撃の禁止、撃墜の禁止を定めているからだ。これは領空侵害排除を実行する軍隊の武器使用ではなく、警察の武器使用だ。ロシア軍機が核ミサイルを発射したら東京は壊滅するのだ。このROEは根底から改めなくてはならない。

 ここで問題にする「不法行為」は、国内法違反ではない。国内法違反の行為であれば、警察と海上保安庁が対応するのが基本だが、国際法規・慣例(国際法と記す)違反の「領海侵害」と「領土侵害」という侵略行動への対処を問題にしているのである。当然、自衛隊部隊(海自と陸自)が中心になって対処するものである。国際法に基づいて、「領海侵害排除」と「領土侵害排除」を行うのである。その時の武器使用は、国際法に基づく軍隊の武器使用である。

 なお、自衛隊の治安出動(78条と81条)と海上警備行動(82条)は、国内法上の警察活動である。だからそれで、国際法違反の侵略行動に対処するのは、法理上も間違いである。しかも、発令にひどく時間がかかるし、武器の使用にも大きな制約があるのだ。つまり、領海・領土侵害排除対処がうまく出来ない。

 私たちは、反日左翼の安倍首相らを打倒し、7月1日の「閣議決定文」を破棄しなくてはならない。そして自衛隊法に「領海侵害排除任務」と「領土侵害排除任務」を加え、防衛省・自衛隊において、そのためのROE(戦闘規則)定めていくのだ(非公開)。領海侵害や領土侵害が発生したときには、現地部隊の指揮官が、ROEに従って直ちに命令を出して排除するのである。

 海上保安庁の巡視船には、領海侵害を繰り返す中共の「公船」を実力で排除する権能が与えられていない。つまり安倍首相は、中共による尖閣諸島の領海侵害を排除する考えがないということである。海上自衛隊によって、「領海侵害排除」(警告射撃、次に撃沈を含む船体射撃)をさせなくては、国家主権を守ることは出来ない。また日本は、陸上自衛隊を尖閣諸島に常駐させて、「領土侵害排除」をさせなくては尖閣諸島を守れない。民間警察(海上保安官も)には、軍人(中共兵士)を取り締まる権能が一切無いからだ。

 安倍首相の7月1日夕方の記者会見の「冒頭発言」と「質疑応答」における発言を、再度見てもらいたい。「国民の命を守る」「国民の命と暮らしを守る」のフレーズは何度も繰り返されているが、「領土を守る」は一度も言っていない。安倍首相は「無人島の尖閣諸島」は守らず、中共に貢ぐ、ということである。

 最後に。

 安倍首相は「平和国家日本」「平和主義」を連発している。前回の論考で論証したように、これは「自衛戦争もしない」の意味である。彼が言う「積極的平和主義」も、「非戦」に積極的だという意味だ。これらの言葉は、左翼が使う言葉である。安倍首相は偽装をしているが、正体は反日左翼であり、日本に対する侵略者である。「自衛戦争もしない」という思想と姿勢では、侵略国家(ロシア、中共、北朝鮮)の軍事侵略を抑止する国家安全保障戦略を創ることは不可能である。安倍首相とその仲間がやっていることは、ロシア、中共、北朝鮮に日本を侵略させて滅ぼしていくためのたたかいだ。

 左翼というのは、嘘の言葉を操ることにおいては天才である。本稿のタイトルは、「『国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について』(7月1日閣議決定文)は大嘘であり、違<法>・違憲である」にしたが、左翼の言葉は「転倒語法」である。つまり、反対の意味が真の意味なのである。人々はこれに騙されるのだ。

 日本人は自立精神が弱くて、本当に権力者や権威に弱い。右でも左でも共通している。人は<法>の支配の思想を獲得していかないと、権力者が決めることが「正しさ」となり、また批判を抱いてもそれに従う人間に堕してしまう(前回論考を参照)。念のために書くが、安倍首相が連発する「法の支配」は「転倒語」であって、その本意は<法>の支配の否定、破壊であり、「悪の法律による支配」の意味である。だから安倍首相は、独裁者・侵略者のプーチンと「非常にウマが合う」のであり、また独裁者・侵略者の中共の習近平と会いたがるのである。

 2014年8月18日脱

大森勝久

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